転職エージェントに騙されたと感じたら?よくあるトラブルと対処法を解説
(監修)中嶋 竜之介
株式会社ソマリ 代表取締役
ミスミ、リクルート、Amazon Japanを経て、転職エージェントである株式会社ソマリを創業。
独立後、4期目で転職成功支援者数は100名超。
Amazon、リクルートなどの大手有力企業への紹介実績と人事コネクションを強みに、あなたのキャリアをサポートいたします。
聞いていた仕事内容と違った。
年収や勤務条件の説明が曖昧だった。
内定承諾を強く急かされた。
希望と違う求人ばかり紹介された。
転職は人生に関わる大きな選択です。
そのため、エージェントの説明と実態にズレがあると、不信感を持つのは当然です。
ただし、すべての転職エージェントが悪質なわけではありません。
一方で、求職者よりも内定承諾を優先する担当者がいるのも事実です。
この記事では、転職エージェントに騙されたと感じやすいケース、すぐに取るべき対応、今後同じ失敗を防ぐ方法をわかりやすく解説します。
【記事概要】
転職エージェントに騙されたと感じるよくあるケース
転職エージェントとのトラブルで多いのは、求人説明と実際の条件が違うケースです。
たとえば、求人紹介の時点では「残業は少なめ」と聞いていたのに、面接で確認すると繁忙期はかなり残業がある。
あるいは、「希望年収に届きます」と言われていたのに、内定後の条件通知では想定より低い。
このようなズレがあると、「都合のいいことだけ言われた」と感じやすくなります。
よくあるトラブルには、次のようなものがあります。
- 希望と違う求人ばかり紹介される
- 応募を急かされる
- 内定承諾を強く迫られる
- 求人票にない条件をあとから知らされる
- 仕事内容の説明が実態と違う
- 年収や残業時間の説明が曖昧
- 退職交渉を急がされる
- 辞退したいのに引き止められる
- 連絡が一方的で相談しにくい
特に注意したいのは、「今決めないと求人がなくなります」「この条件なら十分です」「辞退すると今後紹介できません」といった不安をあおる言い方です。
もちろん、本当に採用枠が少ない求人もあります。
ただ、判断材料を十分に出さずに急かす担当者には注意が必要です。
転職エージェントは、企業から紹介手数料を受け取る仕組みで運営されていることが多いです。
そのため、担当者によっては求職者の納得感よりも、早く入社を決めることを優先してしまう場合があります。
大切なのは、エージェントの言葉をそのまま信じ込まず、条件や仕事内容を自分でも確認することです。
騙されたと思ったときにまず確認すること

転職エージェントに騙されたと感じたら、まず事実を整理しましょう。
感情的に連絡する前に、「何を聞いていたのか」「実際に何が違ったのか」を確認することが大切です。
確認したいポイントは、次のとおりです。
- 求人票の内容
- エージェントとのメールやLINEのやり取り
- 面談時に聞いた説明のメモ
- 企業からの条件通知書
- 内定通知書
- 雇用契約書
- 労働条件通知書
特に、給与、勤務時間、休日、勤務地、雇用形態、試用期間、固定残業代、賞与、業務内容は重要です。
口頭で聞いただけの内容は、あとから確認しにくくなります。
できるだけメールやチャットで残しておきましょう。
たとえば、年収について不安がある場合は、次のように確認できます。
「先日ご説明いただいた年収条件について、内定通知書の記載と認識に違いがあるため確認させてください。想定年収の内訳と、賞与・固定残業代の扱いについて教えていただけますでしょうか。」
仕事内容が違うと感じる場合は、次のように聞けます。
「求人紹介時に伺っていた業務内容と、面接で伺った内容に一部違いがあるように感じました。入社後に主に担当する業務範囲について、改めて確認させてください。」
強い言葉で責めるより、まずは事実確認として聞くほうが話が進みやすいです。
内定承諾前なら辞退してもよい
条件や仕事内容に不安がある場合、内定承諾前であれば辞退して問題ありません。
転職エージェントから強く引き止められても、最終的に入社を決めるのは自分です。
「担当者に悪いから」
「辞退したら怒られそう」
「次の求人を紹介してもらえなくなるかもしれない」
このように感じる人もいます。
しかし、納得できないまま入社してしまうと、短期離職につながる可能性があります。
辞退する場合は、できるだけ早く、丁寧に伝えましょう。
例文:
お世話になっております。
ご紹介いただいた〇〇社の件ですが、慎重に検討した結果、今回は辞退させていただきたく存じます。
業務内容や今後のキャリアを考えた際に、現時点では自分の希望と異なる部分があると判断いたしました。
ご調整いただいたにもかかわらず申し訳ございません。
何卒よろしくお願いいたします。
辞退理由を長く説明しすぎる必要はありません。
ただし、今後も同じエージェントを利用する場合は、どの条件が合わなかったのかを簡単に伝えると、次の紹介精度が上がることがあります。
もし担当者が強引に引き止めてくる場合は、担当変更を依頼するか、別の転職サービスに切り替えましょう。
入社後に騙されたと感じた場合
入社後に「聞いていた条件と違う」と気づくこともあります。
この場合は、まず労働条件通知書や雇用契約書を確認しましょう。
求人票やエージェントの説明よりも、正式な書面に書かれている条件が重要になります。
たとえば、次のような違いがないか確認します。
- 給与額が違う
- 固定残業代の説明がなかった
- 勤務地が違う
- 休日数が違う
- 雇用形態が違う
- 試用期間中の条件が違う
- 業務内容が大きく違う
書面と実態が明らかに違う場合は、会社の人事や上司に確認しましょう。
そのうえで、エージェントにも事実を共有します。
例文:
入社後の条件について、事前に伺っていた内容と異なる点がありました。
具体的には、〇〇について求人紹介時の説明と実際の運用に違いがあります。
今後の対応を検討したいため、紹介時の情報と企業側から共有されていた内容について確認いただけますでしょうか。
もし労働条件に関する重大な違いがある場合は、労働基準監督署や総合労働相談コーナーなど、公的な相談窓口に相談する方法もあります。
ただし、すぐに退職を決める前に、まずは事実確認を行うことが大切です。
部署や担当者によって説明が食い違っているだけの場合もあります。
今後騙されないための対策
転職エージェントを利用するときは、任せきりにしないことが大切です。
担当者の話を参考にしつつ、最後は自分で確認して判断しましょう。
今後同じ失敗を防ぐためには、次の点を意識してください。
- 求人票だけでなく条件通知書を必ず確認する
- 年収は基本給・賞与・固定残業代に分けて確認する
- 残業時間は「平均」と「繁忙期」を聞く
- 勤務地や転勤の有無を確認する
- 業務内容を具体的に聞く
- 内定承諾を急かされても即答しない
- 複数の転職エージェントを比較する
- 担当者に違和感があれば変更を依頼する
特に内定承諾前は慎重になりましょう。
内定が出ると安心して、すぐに承諾したくなることがあります。
しかし、条件面の確認が不十分なまま入社すると、あとから後悔しやすくなります。
確認すべき項目は、次の3つに絞るとわかりやすいです。
- 仕事内容
- 労働条件
- 働き方
この3つに納得できない場合は、無理に承諾しないほうがよいです。
転職エージェントは便利な存在ですが、担当者によって対応の質に差があります。
信頼できる担当者は、良い情報だけでなく、懸念点も伝えてくれます。
「この求人は合いそうですが、残業時間は希望より少し多いです」
「年収は希望に近いですが、業務範囲は広めです」
「入社後は自走力が求められる環境です」
このように、デメリットも説明してくれる担当者のほうが信頼しやすいです。
まとめ
転職エージェントに騙されたと感じたときは、まず事実確認をすることが大切です。
ポイントは次の3つです。
- 求人票・条件通知書・やり取りの記録を確認する
- 内定承諾前なら、不安がある求人は辞退してよい
- 今後は条件や仕事内容を必ず書面で確認する
転職エージェントは便利ですが、すべてを任せきりにするのは危険です。
担当者の言葉を参考にしながら、自分でも情報を確認し、納得できる転職先を選びましょう。