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転職の成功ノウハウ 職種紹介
2024.10.23

「マーケティングって未経験から挑戦できる?」マーケティング職へ挑戦する方法と成功のポイント

「マーケティングって未経験から挑戦できる?」マーケティング職へ挑戦する方法と成功のポイント
 大山 茂敬

大山 茂敬

株式会社ソマリ マーケティング責任者(VPoM)
マンダム、ロレアル、10Xを経て、1人目マーケターとしてソマリに参画。
主にBtoCの広告領域で多数の実績を残す。

転職市場で転職希望者から人気がある職種の一つ「マーケティング」は、企業の成長やブランドの認知度向上に欠かせない重要な仕事です。
転職を通じてマーケティングのキャリアに挑戦したいという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マーケティングの仕事の概要、必要なスキル、そして未経験者がどのようにこの分野に挑戦できるかについて紹介します。

マーケティングの仕事とは?

マーケティングの仕事は、商品やサービスを顧客に効果的に届けるための戦略を立て、実行することです。

大きくは「広報PR」「商品開発」「宣伝広告」「販売促進」の4領域に分けることができ、その中でも細分化された様々な業務・職種があります。まずはこの4領域についてご紹介します。

広報PR

PRという言葉は「アピールする」という意味と認識されていることが多いですが、「Public Relations(パブリック・リレーションズ)」を略した言葉で、「ステークホルダーとの良い関係づくり」を意味しています。
マーケティングの分野では「宣伝広告」は費用を支払って広告活動をするのに対し、「PR」は社会情勢や時事などのニュースに乗せて世の中に情報発信していくマーケティング手段を指します。
宣伝広告と違って必ずしも金銭の授受が発生するとは限らないことが一つの特徴です。

具体的には下記のような仕事をしながら、自社や自社の製品・サービスについてアピールをしていきます。

プレスリリースの作成と配信

新製品の発表や企業の重要なニュースをメディアに伝えるためのプレスリリースを作成し、配信します。

メディアリレーションズ

関連分野のジャーナリストやメディア関係者との良好な関係を築いていきます。

記者会見の企画・運営

新製品の発表や企業の重要なニュースを発表するための記者会見を企画し、運営します。

商品開発

企業が新しい商品を開発するには、誰にどのような価値を届けるのかや、競合製品との間でどのようなポジションを獲得するのかなどのマーケティング戦略が必須となります。
市場のニーズを適切に把握した上で戦略的に商品コンセプトを設計し、テストマーケティングを繰り返しながら商品を開発していく仕事です。

コンセプト設計

市場調査の結果を基に、新商品のコンセプトを設計します。どのような消費者に向けた商品なのか、どのような問題を解決するのかを明確にします。

プロトタイプ作成

コンセプトを元に、試作品(プロトタイプ)を開発します。この段階で消費者のフィードバックを収集し、改良を重ねます。

製品テスト

新商品の市場投入前に、限定された地域やグループでテストマーケティングを行い、実際の消費者の反応を確認します。

商品の展開には生活者への一貫したコミュニケーションが必要であるため、コンセプト設計やプロトタイプ作成は宣伝広告、販売促進などの担当者も加わってチームで行うことが多いです。

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宣伝広告

宣伝広告は費用をかけて一般認知を獲得するマーケティング手段です。
商品のコンセプトや市場ターゲットを勘案し、どのようなチャネルで、どのような内容のコミュニケーションを発信することで生活者の心を動かし、認知を獲得し顧客になってもらうのかを緻密に設計しながら実行する仕事です。

宣伝広告の手法としては、大きく分けるとマスマーケティングとデジタルマーケティングに分野が分かれます。
近年は生活者とのタッチポイントがデジタルに寄ってきたため、テレビCMや屋外広告などのマス広告だけでなくデジタル広告の重要性が高まっています。
そういった背景もあり、近年は企業の宣伝広告担当として、マスマーケティング専属でアサインはあまり多くない一方、デジタルマーケティング専属でのアサインは多くなってきています。
また、宣伝広告は限られた人数で担当を割り振っていることもまだ多く、マス/デジタル両方を担っているケースも一般的です。

以下は一般的な宣伝広告の仕事です。

広告戦略の策定

市場分析

ターゲット市場の調査を行い、消費者のニーズや嗜好、競合他社の動向を分析します。

広告目標の設定

広告キャンペーンの具体的な目標を設定します。ターゲットに対する認知度の向上、リード生成、ナーチャリングなどが設定されることが多いです。

メッセージ開発

ターゲットに響くメッセージを開発します。ブランドの価値や商品の特長を端的に表現します。

広告メディアの選定

メディアプランニング

広告を配信する最適なメディアを選定します。テレビ、ラジオ、交通広告、屋外広告、新聞、雑誌、インターネット、SNSなどがあります。

メディアバイイング

広告スペースや時間枠を購入し、効果的な配信手法を設計します。

クリエイティブ開発

広告デザイン

クリエイティブディレクターやデザイナー、コピーライターらと協力して、ビジュアルやコピーを作成します。

広告制作

テレビコマーシャル、屋外広告や中吊り広告などのグラフィック、記事タイアップ広告、オンラインバナー、リスティング広告など、各メディアに適した広告コンテンツを制作します。

キャンペーン実施

広告配信

選定したメディアを通じて広告を配信し、ターゲットオーディエンスにリーチします。

キャンペーン管理

広告キャンペーンの進行を管理し、スケジュールや予算に沿って実施します。

効果測定と分析

パフォーマンス評価

広告キャンペーンの効果を測定します。KPI(主要業績評価指標)として、クリック率、コンバージョン率、リーチ数、エンゲージメント率などを使用します。

フィードバックと改善

効果測定の結果を基に、広告戦略やクリエイティブの改善点を特定し、キャンペーンに反映させます。

ブランドマネジメント

ブランド一貫性の維持

すべての広告活動がブランドのメインメッセージや世界観に沿っていることを確認します。

ブランド価値の強化

長期的な視点でブランドの認知度や信頼性を向上させるための戦略を立て、実行します。

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販売促進

広告宣伝はブランドや商品の”認知拡大”を主眼に置くのに対し、販売促進はブランドや商品の”購入”を主眼に置いたマーケティング手段となります。
そのため、売上に繋がるための効果的な戦略を策定し、特売や販促物の製作などプロモーション企画をリード、売上を管理して適切な打ち手を講じるのが販促担当の主な仕事になります。

販促戦略の策定

市場調査と分析

ターゲット市場のニーズを調査し、販促目標を設定します。

戦略立案

効果的なプロモーション手法(割引、クーポンなど)を選定します。

プロモーションの企画と実施

コンセプト開発

創造的なプロモーションアイデアを考案します。

販促素材の制作

チラシ、ポスター、サンプルなどを製作します。

展開と管理

プロモーションを適切なチャネルで実施し、進行を管理します。

効果測定と評価

パフォーマンス分析

プロモーションの効果を測定し、売上データを分析します。

フィードバック収集

顧客や営業、販売チームからのフィードバックをプロモーションに反映させます。

顧客関係の構築

ナーチャリングプログラム運営

リピーターを増やし、顧客関係を強化。ロイヤルユーザーを作り出します。

アフターセールスサポート

購入後のサポートを行い、満足度を高めます。

事業会社とマーケティングベンダーの違い

マーケティングの仕事は、事業会社とマーケティングベンダーの2つの環境で行われますが、それぞれに特徴があります。

事業会社

自社の商品やサービスをプロモーションするために、自社でマーケティング部隊を形成。
戦略立案、企画から販売までの全プロセスに関与できるため、マーケティング活動全般のスキルを身につけることができます。

社内調整

各部署(技術開発、購買、生産工場、営業、カスタマーサポートなど)と連携し、決定したマーケティング方針を浸透させ、戦略を具現化させるために各所に協力を依頼・調整します。

社外調整

クリエイティブディレクターやキャンペーンプランナー、デザイナー、コピーライターなどに自社の商品やサービスの特徴とキャンペーンスケジュールを伝え、成果を最大化させるデザインなどの制作を発注し、メディアリストを収集、バイイングします。

KPI管理

ビジネス目標に基づいたKPIを設定し、パフォーマンスを評価します。

マーケティングベンダー

他社のマーケティング活動を支援する専門企業です。
広告代理店、SEOコンサルティング、SNSマーケティングエージェンシーなどが含まれます。
総合広告代理店はコンセプト設計等の戦略立案から運用まで、幅広い範囲の支援をすることが可能です。
WEBマーケティングの広告代理店は細かい指標を元にした広告運用の支援などに強みがあります。

クライアント対応

クライアントの要望をヒアリングし、最適なマーケティング戦略を提案します。

キャンペーン運用

クライアントのキャンペーンを運用し、結果を報告・改善します。

未経験からマーケティングに挑戦するためのポイント

ここまで記載してきた通り、マーケティングの領域はかなり広く、かつ抽象的な思考が求められることが多いです。
そのため、マーケティングの職種は経験を元にした専門的なスキルが必要とされる場合が多く、未経験での転職はハードルが高いです。ただ、順を追って習得することを見据えれば不可能というわけでもありません。
具体的には、WEBマーケティングの広告代理店では、未経験募集がみかけられることもあり、ここにチャンスがあるかもしれません。

キャリアイメージとしては、まずWEB広告の実運用の経験を積んでナレッジを溜め込む。
そこから徐々にWEBマーケティング広告戦略やSNS広告戦略など、戦略策定のスキルを身に着けていくことで、デジタルマーケターとしてのキャリアを積む。
そしてそのデジタルマーケティングのスキルを武器にWEBマーケティングの広告代理店から総合広告代理店へのキャリアアップを図る。

といったこともできるかもしれません。

もちろん、未経験OKと書かれていたとしても、完全未経験でWEBマーケティングの広告代理店に転職するのも簡単ではありません。
ですので、副業などを上手く活用しながらWEBマーケティングについて学んだり、実際に動かした経験があることで、未経験募集のエージェンシーに採用される可能性を高めることができます。
ちなみに一つ注意点として、未経験で募集しているWEBマーケティングの仕事は人手不足なことが多く、ハードワークな環境である可能性が高いです。一定の覚悟をもって飛び込むようにしましょう。

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