志望動機で「スキルを身につけたい」と伝える例文と書き方
(監修)中嶋 竜之介
株式会社ソマリ 代表取締役
ミスミ、リクルート、Amazon Japanを経て、転職エージェントである株式会社ソマリを創業。
独立後、4期目で転職成功支援者数は100名超。
Amazon、リクルートなどの大手有力企業への紹介実績と人事コネクションを強みに、あなたのキャリアをサポートいたします。
未経験職種への転職、第二新卒、キャリアチェンジ、専門職への挑戦では、特に使いやすい表現です。
ただし、そのまま「貴社でスキルを身につけたいです」と書くと、採用担当者には受け身な印象を与えることがあります。
企業が知りたいのは、「何を学びたいか」だけではありません。
学んだスキルを使って、入社後にどう貢献してくれるのかを見ています。
そのため、志望動機では「スキルを身につけたい」という気持ちを、成長意欲や貢献意欲に言い換えることが大切です。
この記事では、志望動機でスキルを身につけたいと伝えるときの注意点、書き方、職種別の例文をわかりやすく解説します。
【記事概要】
「スキルを身につけたい」は志望動機に使ってもいい?
志望動機で「スキルを身につけたい」と伝えること自体は問題ありません。
向上心や学習意欲を示せるため、未経験転職や若手採用ではプラスに受け取られることもあります。
ただし、伝え方には注意が必要です。
「学ばせてもらいたい」
「成長できそうだから応募しました」
「スキルアップしたいから志望しました」
このような表現だけだと、会社を学校のように考えている印象になることがあります。
企業は、研修や実務を通じて成長してくれる人を歓迎します。
一方で、採用する以上は、将来的に戦力として貢献してほしいとも考えています。
そのため、志望動機では次のように伝えると自然です。
- 業務を通じて専門性を高めたい
- 身につけたスキルを活かして貢献したい
- これまでの経験を土台に、新しい分野で力を伸ばしたい
- 実務経験を積みながら、早く戦力になりたい
- 自ら学び続け、業務の幅を広げたい
ポイントは、「学びたい」で止めないことです。
学んだ先に、どのように会社へ貢献するのかまで書きましょう。
たとえば、ITエンジニアを目指す場合は、次のような表現にできます。
悪い例:
「プログラミングスキルを身につけたいと思い、貴社を志望しました。」
改善例:
「プログラミング学習を進める中で、実務を通じて課題解決に関わりたいと考えるようになりました。貴社で開発スキルを高めながら、将来的には使いやすいシステムづくりに貢献したいです。」
改善例では、学習意欲だけでなく、仕事への関心と将来の貢献が入っています。
この違いが、志望動機の印象を大きく変えます。
志望動機でスキルを身につけたいと伝えるポイント

「スキルを身につけたい」を志望動機に入れる場合は、書き方の順番が大切です。
おすすめの流れは次のとおりです。
- なぜその職種・業界に興味を持ったのか
- これまでの経験や学習で何を感じたのか
- 応募先のどこに魅力を感じたのか
- どんなスキルを伸ばしたいのか
- 身につけたスキルでどう貢献したいのか
特に重要なのは、「なぜその会社なのか」を入れることです。
「スキルを身につけたい」だけなら、どの会社でもよく見えてしまいます。
応募先の事業内容、仕事内容、研修制度、扱うサービス、顧客層、働き方などに触れると、志望度が伝わりやすくなります。
たとえば、次のような表現です。
- 貴社は未経験者の育成だけでなく、実務を通じて段階的に成長できる環境がある点に魅力を感じました
- 貴社の幅広い業界に向けたサービス展開に関心を持ち、多様な課題解決に関わりたいと考えました
- 現場での改善提案を大切にしている点に魅力を感じ、自分も業務を通じて専門性を高めたいと考えました
- 資格取得支援や研修制度を活用しながら、早期に実務で貢献できる人材を目指したいです
ただし、研修制度ばかりを強調しすぎるのは避けましょう。
「研修があるから応募しました」と見えると、受け身な印象になります。
研修や教育制度に触れる場合は、次のように自分の行動意欲もセットで伝えるとよいです。
「貴社の教育制度を活用しながら、自主的な学習も継続し、早く業務に貢献できるよう努力したいと考えています。」
この一文があるだけで、学ぶ姿勢が前向きに伝わります。
志望動機例文:スキルを身につけたい場合
例文1:未経験から事務職を目指す場合
貴社を志望した理由は、正確な事務処理や社内サポートを通じて、組織を支える仕事に携わりたいと考えたためです。
前職では接客業を経験し、お客様対応や在庫確認、簡単な売上入力を担当していました。
その中で、表に出る仕事だけでなく、正確な確認や事務処理が現場を支えていることを実感しました。
今後は、パソコンスキルや書類作成、データ管理の力を身につけ、事務職として専門性を高めたいと考えています。
貴社は、部署間の連携を大切にしながら業務を進めている点に魅力を感じました。
入社後は、これまでの接客経験で培った丁寧な対応力を活かしつつ、事務スキルを着実に身につけ、正確で安心感のあるサポートに貢献したいです。
例文2:未経験からITエンジニアを目指す場合
貴社を志望した理由は、ITスキルを身につけながら、システムを通じて人や企業の課題解決に貢献したいと考えたためです。
これまで独学でプログラミングを学ぶ中で、コードを書くことだけでなく、仕組みを作ることで作業を効率化できる点に面白さを感じました。
小さなWebアプリを作成した際、画面の使いやすさやエラーの原因を考える過程にやりがいを感じました。
貴社は、未経験者も段階的に実務経験を積める環境があり、幅広い開発案件に関われる点に魅力を感じています。
入社後は、基礎から学び続ける姿勢を大切にし、開発スキルを身につけながら、将来的には使いやすく価値のあるシステムづくりに貢献したいです。
例文3:営業職で提案力を身につけたい場合
貴社を志望した理由は、顧客の課題に向き合い、提案力を高めながら成果に貢献したいと考えたためです。
前職では販売職として、お客様の希望を聞きながら商品を提案してきました。
その中で、相手の悩みや目的を理解したうえで提案することにやりがいを感じ、より深く顧客課題に関われる営業職に挑戦したいと考えるようになりました。
貴社は、単に商品を販売するだけでなく、顧客の状況に合わせた提案を大切にしている点に魅力を感じています。
入社後は、商品知識や業界知識を積極的に身につけ、これまでの接客経験で培った傾聴力を活かしながら、顧客に信頼される営業として貢献したいです。
例文4:製造業で技術を身につけたい場合
貴社を志望した理由は、ものづくりに関わる技術を身につけ、品質の高い製品づくりに貢献したいと考えたためです。
これまでの仕事では、商品の仕分けや検品を担当しており、正確な作業や確認の大切さを学びました。
その経験から、製品が完成するまでの工程に関心を持ち、自分の手で品質を支える製造の仕事に挑戦したいと考えるようになりました。
貴社は、手順や品質管理を大切にしながら製品づくりを行っている点に魅力を感じています。
入社後は、作業手順や安全確認を丁寧に学び、製造スキルを身につけながら、正確で安定した作業を通じて現場に貢献したいです。
例文5:Webマーケティング職を目指す場合
貴社を志望した理由は、Webマーケティングのスキルを身につけ、企業やサービスの魅力をより多くの人に届ける仕事に携わりたいと考えたためです。
前職では、店舗のSNS投稿を一部担当し、投稿内容や写真の見せ方によって反応が変わることに興味を持ちました。
その経験から、感覚だけでなく、データをもとに改善していくWebマーケティングに関心を持つようになりました。
貴社は、顧客の課題に合わせてWeb施策を提案している点に魅力を感じています。
入社後は、広告運用やアクセス解析、コンテンツ改善のスキルを身につけながら、顧客の成果につながる提案ができる人材を目指したいです。
「スキルを身につけたい」と書くときの注意点

志望動機で「スキルを身につけたい」と書く場合、注意したいのは受け身な印象です。
次のような表現は避けたほうがよいでしょう。
- 貴社で勉強させていただきたいです
- 研修制度が整っているため志望しました
- スキルアップできそうなので応募しました
- 成長できる環境に魅力を感じました
- 未経験でも教えてもらえると思いました
これらの表現は、悪い言葉ではありません。
ただ、これだけだと「会社に育ててもらうこと」が目的に見えやすくなります。
改善するなら、次のように言い換えます。
悪い例:
「貴社でスキルを身につけたいと思い志望しました。」
良い例:
「実務を通じて専門性を高め、身につけたスキルを活かして貴社の業務効率化に貢献したいと考え志望しました。」
悪い例:
「研修制度が充実している点に魅力を感じました。」
良い例:
「貴社の教育制度を活用しながら、自主的な学習も継続し、早期に業務で貢献できる人材を目指したいです。」
このように、「学びたい」だけでなく「貢献したい」を入れると印象が大きく変わります。
また、身につけたいスキルが曖昧すぎるのも注意です。
「いろいろなスキルを身につけたい」
「社会人として成長したい」
「幅広く学びたい」
このような表現だけでは、何に興味があるのかが伝わりにくくなります。
職種に合わせて、具体的なスキル名を入れるとよいです。
- 事務職:PCスキル、データ入力、書類作成、スケジュール管理
- 営業職:提案力、課題解決力、商品知識、顧客対応力
- IT職:プログラミング、システム開発、ネットワーク、データベース
- 製造職:加工技術、検査スキル、品質管理、安全管理
- Web職:広告運用、SEO、アクセス解析、コンテンツ制作
スキル名を具体的にすると、仕事への理解が伝わりやすくなります。
面接で「スキルを身につけたい」と話すときの答え方
面接で志望動機を聞かれたときも、「スキルを身につけたい」だけで終わらせないことが大切です。
話す順番は、次の流れがおすすめです。
- なぜその仕事に興味を持ったのか
- これまでの経験や学習で何を感じたのか
- なぜその会社を選んだのか
- どんなスキルを伸ばしたいのか
- 入社後にどう貢献したいのか
たとえば、未経験からITエンジニアを目指す場合は、次のように話せます。
「プログラミング学習を進める中で、システムによって作業を効率化できる点に興味を持ちました。独学で小さなWebアプリを作る中で、エラーの原因を調べながら改善していく過程にやりがいを感じました。貴社は未経験からでも段階的に実務経験を積める環境があり、幅広い開発案件に関われる点に魅力を感じています。入社後は基礎を着実に身につけ、自主学習も継続しながら、将来的には使いやすいシステムづくりに貢献したいです。」
面接では、学ぶ姿勢に加えて「自分で努力していること」も伝えると好印象です。
たとえば、次のような内容です。
- 現在、資格取得に向けて勉強している
- 独学で基礎知識を学んでいる
- 関連書籍や動画で学習している
- 実際に手を動かして練習している
- 前職の経験を活かせる部分を整理している
「入社してから学びます」だけではなく、「すでに学び始めています」と伝えると、主体性が伝わります。
まとめ:スキルを身につけたい志望動機は「学び」と「貢献」をセットで伝える
志望動機で「スキルを身につけたい」と伝えることは問題ありません。
ただし、そのまま書くと受け身に見えることがあるため、伝え方には工夫が必要です。
大切なのは、学びたい気持ちを入社後の貢献につなげることです。
この記事のポイントをまとめます。
- 「スキルを身につけたい」は志望動機に使ってもよい
- ただし、「学ばせてもらいたい」だけでは受け身に見えやすい
- どんなスキルを身につけたいのか具体的に書く
- 応募先ならではの魅力や仕事内容に触れる
- 身につけたスキルでどう貢献するかまで伝える
- 研修制度に触れる場合は、自主的に学ぶ姿勢もセットで書く
- 面接では、すでに取り組んでいる学習や努力を伝えるとよい
スキルを身につけたいという気持ちは、成長意欲として十分にアピールできます。
ただし、企業が採用したいのは「学びたい人」だけではなく、「学んだことを仕事で活かせる人」です。
志望動機では、学ぶ意欲と貢献意欲の両方を入れましょう。
そうすることで、未経験転職やキャリアチェンジでも前向きで説得力のある志望動機になります。