親の介護で退職はあり?後悔しないための判断軸と伝え方
(監修)中嶋 竜之介
株式会社ソマリ 代表取締役
ミスミ、リクルート、Amazon Japanを経て、転職エージェントである株式会社ソマリを創業。
独立後、4期目で転職成功支援者数は100名超。
Amazon、リクルートなどの大手有力企業への紹介実績と人事コネクションを強みに、あなたのキャリアをサポートいたします。
このテーマは、誰にでも起こり得る現実です。突然の介護、先の見えない負担、仕事との両立の難しさ——冷静に判断しようとしても、感情が追いつかないこともあるでしょう。
結論から言うと、介護を理由に退職すること自体は珍しくありません。ただし、勢いで決めてしまうと後悔につながるケースも多く、慎重な判断が欠かせません。
この記事では、親の介護による退職の現実と、後悔しないための考え方を具体的に解説します。
親の介護で退職する人はどれくらいいる?
まず前提として、介護離職は決して珍しいものではありません。
総務省や厚生労働省のデータによると、年間およそ10万人前後が介護を理由に離職しているとされています。特に40代〜50代の働き盛りの世代に多く、いわゆる「介護離職」は社会課題の一つとして扱われています。
多くの人が直面するのは、「いつまで続くかわからない」という不安です。育児と違い、終わりが見えにくいことが、判断をより難しくしています。
退職を決める前に考えたい3つの選択肢

介護が理由であっても、いきなり退職を選ぶ前に整理しておきたい視点があります。
1. 介護休業・介護休暇の活用
法律上、介護休業は最大93日取得可能です。また、企業によっては独自の支援制度がある場合もあります。
「一度立ち止まる時間」として制度を使うことで、冷静に今後を考えられるケースもあります。
2. 働き方の調整(時短・リモート)
最近では、リモートワークやフレックスタイムなど柔軟な働き方を認める企業も増えています。
上司や人事に相談することで、「辞めなくても続けられる形」が見つかる可能性もあります。
3. 介護サービスの利用
訪問介護やデイサービス、地域包括支援センターなど、公的・民間の支援も活用できます。
「全部自分でやらなければいけない」と思い込むと、選択肢が一気に狭くなります。
それでも退職する場合の伝え方と注意点
十分に検討したうえで退職を選ぶ場合、伝え方にもポイントがあります。
まず、理由は正直に「親の介護のため」と伝えて問題ありません。むしろ無理にぼかすより、納得されやすいケースが多いです。
ただし、付け加えると良いのが「現状の具体性」です。
- どの程度の介護が必要なのか
- なぜ今の働き方では難しいのか
これを簡潔に説明することで、会社側も理解しやすくなります。
また、転職活動を見据える場合は、「状況が落ち着けば再び働きたい」という意欲も整理しておくとよいでしょう。面接では高確率で退職理由を聞かれるため、一貫した説明が重要になります。
このあたりは、転職エージェントに事前に相談しておくと、介護離職後のキャリア設計や伝え方の整理がしやすくなります。特にブランクの扱い方などは、第三者の視点が役立つ場面です。
まとめ
- 介護離職は年間約10万人規模で発生しており、珍しいケースではない
- 退職前に「制度利用」「働き方調整」「外部サービス」を検討することが重要
- 退職する場合は、理由を具体的かつ正直に伝えることで理解を得やすい
親の介護と仕事の両立は、簡単に答えが出る問題ではありません。
だからこそ、「その時の最善」を丁寧に選び取ることが大切です。
一人で抱え込まず、制度や周囲の力も使いながら、無理のない形を探していきましょう。
参考・引用元
厚生労働省「介護休業制度について」
https://www.mhlw.go.jp
総務省統計局「就業構造基本調査」
https://www.stat.go.jp