育休後に退職はずるい?後悔しないために知っておきたい現実と選択肢
(監修)中嶋 竜之介
株式会社ソマリ 代表取締役
ミスミ、リクルート、Amazon Japanを経て、転職エージェントである株式会社ソマリを創業。
独立後、4期目で転職成功支援者数は100名超。
Amazon、リクルートなどの大手有力企業への紹介実績と人事コネクションを強みに、あなたのキャリアをサポートいたします。
そんな声に、少なからず心が揺れたことはありませんか。制度を使ったあとに退職することへの後ろめたさや、周囲の目を気にしてしまうのは自然な感情です。ただ一方で、現実的にはさまざまな事情を抱えながら選択を迫られている人が多いのも事実です。
この記事では、「育休後退職=ずるい」と言われる理由を整理しつつ、後悔しないキャリア選択の考え方を掘り下げていきます。
育休後退職が「ずるい」と言われる理由
まずは、なぜこうした声が出てしまうのかを冷静に見てみましょう。
多くの場合、「育休中は会社のリソースを使っている」「復帰を前提にサポートしている」という認識が背景にあります。職場によっては代替要員の確保や業務調整にコストがかかっており、その分の負担を感じる同僚もいるでしょう。
また、「制度の恩恵だけ受けて辞めるのはフェアではない」という価値観も根強く残っています。特に人手不足の職場では、この傾向が強くなりがちです。
ただし、ここで重要なのは、育休制度は法律で認められた権利であるという点です。厚生労働省のガイドラインでも、育休取得後の退職を一律に禁止するものではありません。つまり、制度利用と退職は必ずしも矛盾するものではないのです。
実際にはよくある?育休後に退職する人のリアル

現場レベルで見ると、育休後に退職するケースは決して珍しくありません。
たとえば、以下のような事情がよく挙げられます。
- 保育園に入れず復職が難しい
- 配偶者の転勤や家庭環境の変化
- 復帰後の働き方(時短勤務など)が希望と合わない
- 仕事と育児の両立に現実的な限界を感じた
実際、総務省統計局や厚生労働省のデータでも、出産・育児を機に離職する女性は一定数存在しています。数字だけを見ると冷たく感じるかもしれませんが、その裏には一人ひとりの生活や葛藤があります。
私自身、同じように悩んでいる人の話を聞く中で、「復帰するつもりだったけれど、実際に子どもが生まれて価値観が変わった」という声はとても多いと感じます。想定と現実のズレは、誰にでも起こり得るものです。
なお、こうしたタイミングでキャリアの棚卸しを行う人も多く、転職エージェントなど第三者に相談して初めて「今の働き方が合っていなかった」と気づくケースも見られます。
後悔しないために考えておきたい3つの視点

ここからは、「ずるいかどうか」という評価から少し離れて、自分にとって納得できる選択をするための視点を整理します。
1. 感情ではなく長期的なキャリアで考える
一時的な罪悪感や周囲の目だけで判断すると、後悔が残りやすくなります。
大切なのは、「3年後、5年後にどう働いていたいか」という視点です。
たとえば、「今は辞めるけど、将来的には同じ業界に戻りたい」という人と、「働き方そのものを変えたい」という人では、選ぶべき道は大きく変わります。
2. 現職での調整余地を最後まで確認する
意外と見落としがちなのが、社内での選択肢です。部署異動やリモートワーク、時短勤務など、交渉次第で状況が改善する可能性もあります。
「辞めるしかない」と思い込む前に、一度は会社としっかり対話してみる価値があります。
3. 外の選択肢を知った上で決断する
今の環境が合わないと感じたとき、他にどんな働き方があるのかを知ることは重要です。いきなり転職する必要はなくても、情報を持っているだけで判断の精度は上がります。
特に、育児と両立しやすい求人や柔軟な働き方を扱う企業は増えてきています。こうした情報は個人で探すよりも、転職エージェントを通じて効率的に収集できる場合も多いです。あくまで選択肢の一つとして、軽く相談してみる人も少なくありません。
まとめ
- 育休後退職が「ずるい」と言われる背景には、職場の負担感や価値観の違いがある
- 実際には家庭事情や働き方の問題で退職を選ぶ人は一定数存在する
- 判断する際は「長期的なキャリア」「社内調整」「外の選択肢」の3点を軸に考えることが重要
「ずるいかどうか」という評価は、立場によって変わるものです。
それよりも、自分と家族にとって納得できる選択かどうかを丁寧に見つめることが、結果的に後悔の少ない道につながります。
参考・引用元
内閣府 男女共同参画白書
https://www.gender.go.jp
厚生労働省「育児・介護休業法について」
https://www.mhlw.go.jp
総務省統計局 労働力調査
https://www.stat.go.jp