退職代行、やめた方がいい?使うべき?その判断基準とは
(監修)中嶋 竜之介
株式会社ソマリ 代表取締役
ミスミ、リクルート、Amazon Japanを経て、転職エージェントである株式会社ソマリを創業。
独立後、4期目で転職成功支援者数は100名超。
Amazon、リクルートなどの大手有力企業への紹介実績と人事コネクションを強みに、あなたのキャリアをサポートいたします。
しかし、それに対して「自分で言えばいいじゃないか」「退職代行なんて使うのは甘え」という否定的な声もあります。
「退職代行やめたらいい」という意見も、一見すると合理的なようで、個々の事情を見落としがちです。
【記事概要】
退職代行を「やめたほうがいい」とされるケース
以下のようなケースでは、退職代行の使用を見送っても問題ない、または使わない方が望ましい場合もあります。
● 上司との関係が悪くない
→ 退職理由を冷静に説明できそうなら、自分で手続きした方が円満退職になりやすい。
● 引き継ぎや挨拶をしっかりしたい
→ 今後のキャリアや人間関係を大切にしたい人は、誠実に手続きした方が印象が良くなります。
● 退職に関するトラブルが特にない
→ 会社が退職手続きを拒否するようなブラック体質でない限り、自力でも十分に対応できます。
ポイント:
可能であれば自分で手続きを行った方が、「社会人としての筋を通した形」になりやすいのは事実です。
退職代行を「使った方がいい」具体的なケース

一方で、以下のような状況では退職代行の利用は“合理的で自分を守る手段”となりえます。
● 退職を申し出ても認めてくれない(引き止め・脅し)
→ 退職は労働者の権利です。引き止められる義理はありません。
● パワハラ・モラハラなど精神的負担が大きい
→ 心身に不調が出ているなら、まずは安全を確保することが最優先。
● 会社に行くこと自体がつらく、話すのも難しい
→ うつ症状や過度のストレスがある場合、退職代行を通じて「静かに幕を引く」のもひとつの選択肢です。
● 有給を消化させてくれない
→ 弁護士監修の退職代行を使えば、正当な権利行使がしやすくなります。
退職代行を使った場合のデメリットと注意点
退職代行が悪いわけではありませんが、**使うことで生じる可能性のある“誤解”や“デメリット”**についても把握しておきましょう。
| デメリット | 内容 |
| 会社側に悪印象を与える場合がある | 特に小規模企業や感情的な上司の場合、しこりが残ることも |
| 引き継ぎが不完全になりやすい | 残された社員の負担が増え、関係が悪化する可能性も |
| 転職時に説明が必要なケースがある | 「なぜ自分で伝えなかったのか?」と聞かれることも |
ただし、こうした点は転職活動時の伝え方を工夫すればカバー可能です。
「退職代行やめたらいい」の本質は、“自分の状況を冷静に見極めて”

「やめたらいい」と一言で済ませてしまうのは簡単です。
しかし、本当に大切なのは、自分の健康・将来・安心感を守ること。
他人の価値観ではなく、自分の状態と職場の実情に応じて選択することが何より大事です。
まとめ|退職代行をやめるかどうかは、他人の意見より「あなたの状況次第」
「退職代行やめたらいい」と言われたとき、あなたがその言葉に納得できるなら、使わずに自分で伝えてもいいでしょう。
しかし、心が限界に近づいている・対話が成立しない・会社がルールを守らないといった状況にあるなら、それは*逃げ”ではなく“適切な退避”です。
最後におさらい:
- 退職後の説明準備や、次の職場で前向きに話せる準備もしておくと安心
- 退職代行は「やめた方がいい」ケースもあるが、「使うべき」場面も明確に存在する
- 他人の価値観ではなく、「自分の心身と環境」を軸に判断することが大切