【辞職と退職の違いとは?】意味・使い方・法律上の区別をやさしく解説


(監修)中嶋 竜之介
株式会社ソマリ 代表取締役
ミスミ、リクルート、Amazon Japanを経て、転職エージェントである株式会社ソマリを創業。
独立後、4期目で転職成功支援者数は100名超。
Amazon、リクルートなどの大手有力企業への紹介実績と人事コネクションを強みに、あなたのキャリアをサポートいたします。
転職活動や退職手続きを進める中で、
「辞職と退職って何が違うの?」
「どちらを使えば正しいの?」
と疑問に思ったことはありませんか?
どちらも“会社を辞める”という意味で使われる言葉ですが、法的な意味合いや使い方には明確な違いがあります。
履歴書や退職届などのビジネス文書でも、誤用すると違和感を与えてしまうこともあるため、正確に理解しておくことが大切です。
この記事では、「辞職」と「退職」の違いについて、定義・使われ方・実務上の注意点まで、わかりやすく解説します。
「辞職と退職って何が違うの?」
「どちらを使えば正しいの?」
と疑問に思ったことはありませんか?
どちらも“会社を辞める”という意味で使われる言葉ですが、法的な意味合いや使い方には明確な違いがあります。
履歴書や退職届などのビジネス文書でも、誤用すると違和感を与えてしまうこともあるため、正確に理解しておくことが大切です。
この記事では、「辞職」と「退職」の違いについて、定義・使われ方・実務上の注意点まで、わかりやすく解説します。
【記事概要】
基本的な違い|「辞職」は自分から辞める、「退職」はもっと広い
用語 | 意味 | 使用される場面 |
退職 | 会社を辞めること全般を指す広い意味の言葉 | 一般的な表現、転職、定年など |
辞職 | 本人の意思で会社を辞めることを特に強調する法律用語 | 自己都合退職、公職や役員が辞める時など |
つまり、
- 「退職」=会社を辞めること全般(定年、解雇、契約満了なども含む)
- 「辞職」=自分の意思で会社や役職を辞めること(自己都合退職)
という違いがあります。
法律上の定義の違い(労働契約における)
- 正社員・契約社員などの一般労働者が自分から会社を辞めるとき → 「退職」または「辞職」
→ 実務では「自己都合退職」という表現が一般的- 取締役・役員などの「委任契約者」が自分から辞めるとき → 「辞職」
労働基準法では「退職」は広義の言葉で、「辞職」はあくまでその一部(自己都合での退職)という位置づけです。
使用例と使い分け方

【退職を使う場面】
- 「来月末で退職します」
- 「退職金の制度について教えてください」
- 「定年退職される〇〇部長への贈り物」
- 「退職届を提出しました」
→ 一般的な言い回しで、ビジネスシーンでも最もよく使われる表現です。
【辞職を使う場面】
- 「役職を辞職する意向を伝えた」
- 「議員が不祥事で辞職」
- 「内閣総理大臣が辞職を表明」
- 「部長職を辞職して一社員として再出発」
→ 公職や役員などの“役”を辞める場合や、責任をとるニュアンスを含む場合に用いられます。
実務での使い分けのポイント
シーン | 適切な表現 | 備考 |
一般社員が会社を辞める | 退職(自己都合退職) | 辞職でも間違いではないが一般的ではない |
役員が辞める | 辞職 | 辞任とも言う |
定年による退職 | 退職(定年退職) | 辞職は不適切 |
解雇や契約満了 | 退職(会社都合退職など) | 辞職とは言わない |
転職活動時の書類(履歴書など) | 「一身上の都合により退職」 | 通常は「退職」を使用 |
転職活動での注意点
転職活動時の履歴書や面接で、「辞職」と「退職」を正しく使い分ける必要があります。
- 履歴書の職歴欄では「退職」が基本です。
例)「2024年3月 株式会社○○ 退職(一身上の都合により)」- 「辞職」を使うと、政治的・責任問題のような重たいニュアンスになることがあるため、一般企業の退職では「退職」と記載するのが無難です。
まとめ|辞職と退職の違いを理解して、正しく使い分けよう
「辞職」と「退職」は似ているようで、使う場面や意味合いが異なる言葉です。
とくに転職活動や退職届の記入時には、「退職」を使うのが一般的です。
最後におさらい:
- 辞職はややフォーマル・責任を伴う意味合いが強め
- 「退職」=会社を辞めること全般を指す一般的な表現
- 「辞職」=自分の意思で辞めること/役職や公職を辞める時に使う
- 履歴書や退職届では「退職」を使うのが基本