転職は本当に「悪いこと」なのか?ネガティブイメージの正体と、前向きなキャリア構築の考え方


(監修)中嶋 竜之介
株式会社ソマリ 代表取締役
ミスミ、リクルート、Amazon Japanを経て、転職エージェントである株式会社ソマリを創業。
独立後、4期目で転職成功支援者数は100名超。
Amazon、リクルートなどの大手有力企業への紹介実績と人事コネクションを強みに、あなたのキャリアをサポートいたします。
「会社を辞めるなんて無責任じゃないか」
こうした不安や罪悪感を抱えながら、転職をためらっている方も多いのではないでしょうか。
日本では長年、「一社で働き続けることが美徳」という価値観が根付いてきました。
その影響で、転職に対してどこか「逃げ」「裏切り」「根気がない」といったネガティブな見方をしてしまうことがあります。
しかし現在の社会では、転職はむしろ自分の人生を主体的に選ぶ行動として一般化しつつあります。
この記事では、「転職=悪いこと」という考えがどこから来るのかを紐解きながら、今後のキャリアを前向きに考えるための視点を提供します。
なぜ「転職=悪いこと」と思ってしまうのか?
■1.日本独自の雇用慣行
長らく続いてきた「終身雇用」や「年功序列」の文化では、一つの会社で勤続することが信頼や安定の象徴とされてきました。
転職は「会社に不満を持って逃げた人」「我慢が足りない人」と見なされやすく、マイナスの印象を持たれがちです。
■2.周囲の目・家族の価値観
親世代や上司など、昭和・平成初期の価値観を持つ人たちから「会社は辞めるべきじゃない」と言われ、転職に踏み切れない人もいます。
特に大手企業や安定職の場合、「もったいない」という言葉で引き留められることもあります。
■3.自分自身の不安や自信のなさ
転職を決意したものの、「今の職場で続ける方が安全では?」「新しい職場で通用するのか?」といった自己不信が、転職=悪という誤解を深める原因にもなります。
転職は「自分をより良くする手段」

では、現代の転職はどう位置づけられているのでしょうか?
■今や転職は「普通の選択」
大手転職サイトの調査では、20代〜40代の実に3人に1人以上が「転職経験あり」と回答しています。
終身雇用の崩壊や、スキルの専門化が進む中で、キャリアアップや働き方の見直しを目的とした転職は当たり前の時代です。
■転職は「逃げ」ではなく「戦略」
たとえば以下のような理由で転職を決めることは、極めて前向きで合理的な判断です。
- 現職でのキャリアが頭打ちになった
- ワークライフバランスが合わない
- 自分の強みをもっと活かしたい
- 成長業界に身を置きたい
■「悪い転職」とは目的のない転職
本当に避けるべきなのは、「とりあえず辞めたいから」「なんとなく不満があるから」という漠然とした理由による転職です。
転職そのものではなく、準備不足の転職が失敗のもとになるのです。
こうした懸念がある場合は、転職エージェントの面談を通じてキャリアの方向性を整理するのがおすすめです。
転職で後悔しないために必要な3つの視点

1.自分の価値観と向き合う
「何を大切にして働きたいのか」「どんな働き方が自分に合っているのか」を明確にすることが、転職理由を前向きなものに変える第一歩です。
2.キャリアのゴールを描く
転職はあくまで手段です。
「どんな仕事をしたいのか」「どんなスキルを高めたいのか」というゴールを定めることで、行動に軸ができます。
3.情報収集と比較検討
転職先の企業文化や仕事内容を正しく把握し、現職と比較したうえで判断することが大切です。
エージェントを利用すれば、非公開求人の情報や企業の内情も入手できます。
まとめ
- 転職は社会的にも一般的なキャリア形成手段
- ネガティブなのは「転職」ではなく「準備不足の転職」
- 自分の価値観・目標・強みを整理することで前向きな選択になる
「転職=悪いこと」という考え方は、もはや過去のものになりつつあります。
現代の働き方においては、転職は自分の可能性を広げる選択肢のひとつです。
転職に対して不安がある方は、まずは転職エージェントに相談して、プロの視点でキャリアを見直すところから始めるのも効果的です。
「自分にとって最善の選択」を見極めることが、後悔しない転職につながります。