志望動機で「家から近い」はアリ?印象を下げない言い換え例と伝え方のコツ


(監修)中嶋 竜之介
株式会社ソマリ 代表取締役
ミスミ、リクルート、Amazon Japanを経て、転職エージェントである株式会社ソマリを創業。
独立後、4期目で転職成功支援者数は100名超。
Amazon、リクルートなどの大手有力企業への紹介実績と人事コネクションを強みに、あなたのキャリアをサポートいたします。
毎日通う場所だからこそ、通勤のしやすさは現実的で大切な条件です。
しかし、履歴書や面接でそのまま「家が近いから」と伝えると、「本当にやる気があるのか?」「条件だけで選んでいるのでは?」とマイナスに受け取られるリスクもあります。
採用担当者は、その人がなぜその企業に関心を持ち、長く活躍してくれそうかを見ています。
そこでこの記事では、「家から近い」という動機をポジティブに、かつ印象よく言い換える方法をご紹介します。
実際の例文付きで解説するので、書類作成や面接対策にぜひ活用してください。
「家から近い」をそのまま言わない方がいい理由
「自宅から近い」というのは、応募者にとって大きな魅力ですが、それだけを理由にしてしまうと、以下のように受け取られる可能性があります。
- 他の企業でもいいのでは?(志望度が低く見える)
- 条件だけで仕事を選んでいるのでは?
- 継続的な成長や貢献への意欲が感じられない
そのため、「家から近い」という要素を前向きな志望理由につなげる言い回しが求められます。
「家から近い」を印象よく言い換える表現集

パターン①:通勤負担の少なさを、業務への集中力に結びつける
「通勤時間を最小限にできるため、日々の業務に集中しやすく、パフォーマンスを高めて働ける環境だと感じました」
この表現なら、単に楽をしたい印象ではなく、仕事への前向きな姿勢として伝わります。
パターン②:長期勤務・安定志向をアピールする
「自宅から通いやすいこともあり、長期的に安定して働ける環境だと考えました」
採用側が気にするのは「すぐに辞めないかどうか」です。
“定着意欲”の裏付けとして通勤距離を使うのは、納得感があります。
パターン③:ライフスタイルや家庭との両立に配慮していることを伝える
「無理のない通勤距離であることから、生活と仕事のバランスを保ちながら、安定的に勤務できると考えました」
特に家庭や子育てとの両立を希望している場合に使いやすい表現です。
「働き続ける意志」が伝わることで、印象がぐっと良くなります。
パターン④:「近い+企業の魅力」でダブルの理由にする
「通勤面でも無理がなく、長く働けると感じたことに加え、御社が取り組む○○事業に共感し、自分の経験を活かせると考えました」
立地と企業の魅力を両方取り上げることで、“条件だけ”の印象を避けることができます。
志望動機で伝えるときの構成ポイント

言い換えた内容を自然に伝えるには、次のような構成を意識しましょう。
【志望動機構成の基本】
- 前提(距離・生活面)
- 仕事に対する姿勢・意欲
- 企業とのマッチ・共感点
- 今後の展望や貢献意欲
この順序で話せば、「家が近い」だけで終わらず、“だからこそ御社で働きたい”という筋の通った志望動機になります。
まとめ:家が近い=“前向きな理由”に変換できる
- 「家から近い」は正直な理由だが、そのままでは志望度が伝わりにくい
- 「通勤ストレスが少ない」「安定して働ける」など、仕事に活かせる形で言い換える
- 企業の魅力や自身のキャリアと絡めて伝えることで、説得力が増す
志望動機に悩んでいる方は、無理に立派な理由をつくろうとする必要はありません。
大切なのは、「その会社を選んだ理由を、自分の言葉で前向きに説明すること」です。
通いやすさも立派な判断軸です。
少しだけ言葉を工夫することで、印象は大きく変わります。