志望動機と志望理由の違いとは?|転職活動の面接での伝え方のポイント


(監修)中嶋 竜之介
株式会社ソマリ 代表取締役
ミスミ、リクルート、Amazon Japanを経て、転職エージェントである株式会社ソマリを創業。
独立後、4期目で転職成功支援者数は100名超。
Amazon、リクルートなどの大手有力企業への紹介実績と人事コネクションを強みに、あなたのキャリアをサポートいたします。
しかし、応募書類や面接の場では、「志望理由」という言葉で問われることもあり、この2つの言葉の違いが分からず戸惑う人も少なくありません。
実は「志望動機」と「志望理由」は似て非なるものです。
混同してしまうと、思いが伝わらなかったり、内容が浅いと評価されてしまうこともあります。
この記事では、志望動機と志望理由の本質的な違いと、それぞれの伝え方のコツについてわかりやすく解説します。履歴書や面接での回答精度を上げたい方は、ぜひ参考にしてください。
【記事概要】
志望動機と志望理由の違いとは?
項目 | 志望動機 | 志望理由 |
意味 | 興味を持ったきっかけや思い | 応募先を選んだ具体的な根拠や背景 |
視点 | 感情・価値観 | 論理・客観性 |
よく使われる場面 | 履歴書・面接の冒頭 | ESや面接の深掘り質問、エントリー時の記述欄 |
必要な要素 | 共感・熱意 | 企業理解・自己分析・経験のマッチ度 |
志望動機=「なぜ働きたいと思ったか」、
志望理由=「なぜその会社を選んだのか」
と捉えると分かりやすいでしょう。
志望動機の伝え方|共感と熱意を伝える

志望動機は、「その企業や仕事に興味を持ったきっかけ」や「働きたいという気持ち」を伝える部分です。
企業理念や事業内容への共感、自分の価値観との一致など、“主観的な思い”を前向きに語ることが大切です。
【例文】IT業界・エンジニア職への志望動機
私はモノづくりを通じて人々の生活をより便利にすることに関心がありました。御社が提供されている〇〇サービスに共感し、自分の技術力を社会貢献につなげられる点に魅力を感じ、志望いたしました。
ポイント:
- 自分の関心や価値観と企業の方向性を結びつける
- 「どこでも言える内容」にならないよう、企業独自の強みに触れる
志望理由の伝え方|論理的に「なぜこの会社なのか」を語る

志望理由は、複数ある企業の中でなぜこの会社を選んだのかを、経験やキャリアプランと照らし合わせて説明するものです。
企業研究の成果が問われるため、制度・業績・職種内容・社風などの具体的な情報を盛り込むと説得力が増します。
【例文】営業職への志望理由
私は前職で法人営業を担当し、顧客課題に応じた提案型の営業にやりがいを感じてきました。御社は業界特化型のコンサルティング営業に強みを持ち、提案の幅が広く、より深い顧客関係構築ができると考えています。この環境で、さらに提案力を磨きたいと考え、志望いたしました。
ポイント:
- 会社を選んだ理由に、キャリアとの整合性があるかを重視
- 数字や制度など客観的な事実を根拠に含めると◎
面接や書類での効果的な使い分け
実際の転職選考では、志望動機と志望理由が明確に分けて問われることもあれば、まとめて「志望動機」と表現されることもあります。
そのため、「感情+論理」のバランスを取って回答することが理想的です。
【構成のコツ(PREP法応用)】
- P(Point)結論:志望の一言理由
- R(Reason)理由:価値観や企業への共感
- E(Example)経験:具体的な実績やスキル
- P(Point)再結論:入社後の目標や貢献意欲
まとめ:志望動機と志望理由は“熱意”と“根拠”の両輪
- 志望動機は「感情」=なぜ興味を持ったかを語るもの
- 志望理由は「論理」=なぜその企業を選んだかを説明するもの
- 選考では両者を組み合わせて「共感×適合性」を伝えるのが理想
転職活動では、「思い」だけでも「理屈」だけでも評価されにくく、自分の経験・価値観と企業との接点を、誠実かつ論理的に伝えることが求められます。
「志望動機をどう書けば浅く見られないか」「企業理解が合っているか不安」という方は、転職エージェントに添削やアドバイスをもらうことで、より実践的な表現ができるようになります。