転職活動で立ち止まったら…次の一手を決めるためのセルフチェック法


(監修)中嶋 竜之介
株式会社ソマリ 代表取締役
ミスミ、リクルート、Amazon Japanを経て、転職エージェントである株式会社ソマリを創業。
独立後、4期目で転職成功支援者数は100名超。
Amazon、リクルートなどの大手有力企業への紹介実績と人事コネクションを強みに、あなたのキャリアをサポートいたします。
「このまま今の会社に残るべきか?」
「複数の内定のうち、どちらを選ぶべきか?」
「より良い求人が出るまで待つべきか?」
こうした迷いに対して、感情や思い込みだけで決断すると、後で「もっとよく考えればよかった…」と後悔することも。
そこで本記事では、転職活動の「次の一手」を決めるための客観的な判断基準を紹介します。
「転職の軸」を明確にする
転職活動の方向性を決める上で重要なのが、「転職の軸」を明確にすることです。
転職の軸とは、自分が転職で最も重視するポイントのこと。
① 転職の軸を整理するための3つの視点
- キャリアアップ:市場価値を高め、将来のキャリアにつながるか?
- 待遇・条件:年収、福利厚生、働きやすさは希望に合っているか?
- やりがい・環境:仕事内容や社風が自分に合っているか?
例えば、
- 「年収よりもスキルアップを重視する」
- 「ワークライフバランスを最優先する」
など、優先順位を明確にしておくと、迷ったときの判断基準になります。
② 「転職の軸チェックシート」を活用
以下のようなシートを作成し、応募企業と照らし合わせると、どの選択肢が自分にとって最適か判断しやすくなります。
転職の軸 | A社 | B社 | 現職 |
年収 | ◎ | △ | ○ |
キャリア成長 | ○ | ◎ | △ |
仕事のやりがい | ◎ | ○ | △ |
ワークライフバランス | △ | ○ | ◎ |
このように整理することで、感覚だけでなく、論理的に判断することが可能になります。
内定を比較する際の判断基準

複数の内定を得た場合、どの企業を選ぶべきか迷うことがあります。その際に活用できるのが、以下の「5つの判断基準」です。
① 長期的なキャリアにつながるか?
「3年後・5年後にどんなスキルや経験が得られるか」をイメージしてみましょう。
- 市場価値が上がる経験ができるか?
- 今後のキャリアの選択肢が広がるか?
短期的な条件だけでなく、中長期的な視点で考えることが重要です。
② 会社の成長性はあるか?
- 業界の成長性はどうか?(縮小傾向の業界ではないか?)
- 企業の財務状況は健全か?(IR情報や業績をチェック)
成長性のある企業の方が、昇進や新しいチャレンジの機会が増えやすいため、長期的な視点で判断しましょう。
③ 自分に合った企業文化・働き方か?
- 企業のカルチャーが自分に合っているか?
- 社内の雰囲気は自分が働きやすい環境か?
企業の口コミサイトや、実際に面接官と話した印象をもとに、「この環境で自分が力を発揮できるか?」を考えてみましょう。
④ オファー内容は納得できるか?
- 年収・福利厚生は希望に合っているか?
- 評価制度や昇給の仕組みは納得できるか?
年収が高いだけではなく、将来的な昇給やキャリアアップの可能性も考慮することが重要です。
⑤ 現職と比べて本当に「転職すべき」か?
最後に、内定企業と現職を比較し、「転職することで本当に状況が良くなるのか?」を確認しましょう。
- 「現職に残るメリットはないか?」(改善の余地があるなら転職を再考)
- 「転職によるデメリットは許容できるか?」(新しい環境に適応できるか?)
転職活動を続けるべきか、終了すべきか?

① 現在の内定が本当にベストか?
- 「今の選択肢がベストか、より良いオファーを待つべきか?」
- 「あと1〜2カ月待てば、より条件の良い求人が出る可能性は?」
転職市場の動向をチェックし、焦って決めるのではなく、じっくり検討することも大切です。
② 転職エージェントに相談する
転職エージェントに、「今の市場でより良い選択肢があるか?」を相談するのも有効です。
- 「今の内定企業は、業界平均と比べて好条件か?」
- 「他にもマッチしそうな企業はあるか?」
プロの視点を取り入れることで、より納得のいく判断ができます。
まとめ
転職活動で「次の一手」を決める際には、以下のポイントを押さえましょう。
転職の軸を明確にする
- 「キャリアアップ」「待遇」「やりがい」の優先順位を整理
- 転職の軸チェックシートで比較
内定を比較する際の5つの基準
- 長期的なキャリアにつながるか?
- 会社の成長性はあるか?
- 企業文化・働き方が自分に合っているか?
- オファー内容(年収・福利厚生)は納得できるか?
- 転職によるメリット・デメリットを整理する
転職活動を続けるか、終了するか?
- 「現状がベストか、より良い求人を待つべきか?」を再検討
- 転職エージェントに相談し、市場動向を確認
感情に流されず、冷静な判断基準を持つことが転職成功のカギです。
自分にとって最適な「次の一手」を決め、納得のいくキャリアを築きましょう。