転職で後悔しないために!360度フィードバックで本当に向いている仕事を見極める


(監修)中嶋 竜之介
株式会社ソマリ 代表取締役
ミスミ、リクルート、Amazon Japanを経て、転職エージェントである株式会社ソマリを創業。
独立後、4期目で転職成功支援者数は100名超。
Amazon、リクルートなどの大手有力企業への紹介実績と人事コネクションを強みに、あなたのキャリアをサポートいたします。
しかし、自己分析はどうしても「主観的な偏り」が生じやすく、本来の市場価値や適性を見誤るリスクがあります。
そこで有効なのが、「360度フィードバック型自己分析」です。
これは、周囲の客観的な意見を取り入れ、よりバランスの取れた自己理解を深める手法です。
本記事では、その具体的な方法と活用のコツを解説します。
360度フィードバック型自己分析とは?
① 360度フィードバックとは?
360度フィードバックとは、自分自身だけでなく、周囲(上司・同僚・部下・友人など)からの評価を取り入れて自己分析を行う手法です。
通常の自己分析では、「自分は〇〇が得意」「△△が弱み」と主観的に考えがちですが、実際には他者から見た評価とズレていることも少なくありません。
例:自己認識と他者評価のズレ
項目 | 自己評価 | 他者評価 |
コミュニケーション能力 | 普通 | 高い |
リーダーシップ | 強い | もっと積極性が必要 |
データ分析スキル | 高い | もう少し精度を上げるべき |
このように、360度フィードバックを活用すると、「自分では気づいていなかった強み」や「改善点」が浮き彫りになり、より客観的な視点で自己分析が可能になります。
② 360度フィードバックのメリット
- 主観の偏りを排除し、より正確な自己理解ができる
- 他者からのフィードバックで強み・弱みが明確になる
- 転職市場での「本当の市場価値」を見極める手助けになる
360度フィードバックの実践方法

① フィードバックを依頼する対象を選ぶ
まず、以下のような異なる立場の人々にフィードバックを依頼すると、より多角的な分析ができます。
- 上司(マネジメント視点での評価)
- 同僚(チームワークや協調性の評価)
- 部下や後輩(リーダーシップや指導力の評価)
- 友人・家族(性格や対人関係の評価)
特に、転職活動を考えている場合は、過去の同僚や転職エージェントからの意見も参考になります。
② 質問リストを作成し、フィードバックを受ける
フィードバックをもらう際には、具体的な質問を用意すると回答が得やすくなります。
例:フィードバック質問リスト
- 私の強みとして最も際立っている点は何ですか?
- 私がもっと伸ばすべきスキルや特性はありますか?
- 過去に私がチームや組織に貢献した具体的な事例を教えてください。
- 仕事の進め方や考え方で改善すべき点はありますか?
- 私が転職を考える場合、どのような業界・職種が向いていると思いますか?
質問はシンプルにし、相手が率直な意見を伝えやすいようにすることがポイントです。
③ フィードバックを整理し、自己分析シートを作成する
集めたフィードバックをもとに、自己分析シートを作成しましょう。
項目 | フィードバック(他者評価) | 自己評価との違い | 今後の改善点 |
コミュニケーション | 話しやすく、信頼感がある | 普通だと思っていた | さらに傾聴力を伸ばす |
分析力 | もう少し論理的な整理が必要 | 得意だと思っていた | フレームワークを活用する |
リーダーシップ | 積極性をもっと出すべき | そこそこあると思っていた | 意見をはっきり伝える |
このように整理すると、自分の強みを活かすポイントや改善すべき課題が明確になります。
転職活動への活かし方

① 職務経歴書や自己PRの精度を高める
360度フィードバックで得た客観的な強みを、職務経歴書や面接での自己PRに活かしましょう。
例:強みを活かした自己PR(営業職)
「同僚や上司から、顧客との信頼関係を築く力が高いと評価されています。実際に、長期的な顧客フォローを強化し、既存顧客の契約更新率を30%向上させた実績があります。」
他者からの評価を具体的なエピソードとともに伝えることで、説得力のある自己PRが可能になります。
② 適職・転職先の選定に役立てる
「自分が向いている仕事は何か?」を考える際にも、360度フィードバックが有効です。
例:フィードバック結果から適職を考える
- 「リーダーシップがある」→ マネジメント職やプロジェクトリーダー向き
- 「分析力が高い」→ データ分析職やコンサルティング向き
- 「細かい作業が得意」→ 事務職やエンジニア向き
このように、他者の視点を参考にすることで、適職を見極めやすくなります。
③ 面接対策として活用する
面接では、「あなたの強みは?」と聞かれることが多いため、360度フィードバックの結果を根拠にすると説得力が増します。
例:面接での回答
「私の強みは、チームワークを重視したコミュニケーション能力です。同僚や上司からも、『周囲と連携しながらプロジェクトを円滑に進める力がある』と評価されています。実際に、前職では〇〇のプロジェクトでチームをまとめ、納期短縮に貢献しました。」
他者のフィードバックを交えることで、より客観的で信頼性のあるアピールが可能になります。
まとめ
360度フィードバック型自己分析を活用すると、以下のメリットがあります。
- 自己評価の偏りを排除し、より正確な自己理解ができる
- 職務経歴書や面接の自己PRが強化できる
- 適職やキャリアの方向性を客観的に判断できる
転職活動を成功させるためにも、一人で考えるだけでなく、周囲の意見を活用することが重要です。
転職エージェントのサポートを受けながら、よりバランスの取れたキャリア判断を行いましょう。