イノベーションファシリテーターとは何か?転職市場で注目のポジション!


(監修)中嶋 竜之介
株式会社ソマリ 代表取締役
ミスミ、リクルート、Amazon Japanを経て、転職エージェントである株式会社ソマリを創業。
独立後、4期目で転職成功支援者数は100名超。
Amazon、リクルートなどの大手有力企業への紹介実績と人事コネクションを強みに、あなたのキャリアをサポートいたします。
しかし、新しいアイデアを生み出し、それを事業として実現するには、多くの課題が伴います。
そこで注目されるのが、「イノベーションファシリテーター」という役割です。
イノベーションファシリテーターは、社内外の異なる立場や専門性を持つ人々をつなぎ、創造的なプロセスを促進する仲介者です。
本記事では、その具体的な役割や必要なスキル、そして企業がこのポジションをどのように活用できるのかを解説します。
イノベーションファシリテーターの役割とは?
イノベーションファシリテーターとは、単なるプロジェクトマネージャーではなく、「人・アイデア・リソースをつなぐ橋渡し役」として機能します。
① 異なる領域をつなぐ「創造的仲介者」
新規事業の創出には、異なる視点を持つ人々の協力が不可欠です。
イノベーションファシリテーターは、以下のような異なる立場の間に入り、スムーズな連携を生み出します。
- 社内の事業部門 × 技術開発部門
技術の事業化を支援- スタートアップ × 大企業
新技術やアイデアの導入促進- 研究者 × ビジネスリーダー
学術的知見を実用化
② イノベーションのプロセスを設計し、促進する
単にアイデアを出すだけでなく、それを事業として具体化するプロセスを設計し、進行をサポートするのも重要な役割です。
- アイデア創出:ワークショップやブレインストーミングを実施
- プロトタイピング:仮説検証を行い、アイデアを具体化
- 実証実験・市場テスト:初期段階のユーザーテストを促進
③ 企業文化にイノベーションのマインドを根付かせる
イノベーションは一部の専門家だけが担うものではなく、組織全体に浸透させることが重要です。
ファシリテーターは、組織文化の変革にも貢献します。
- オープンイノベーションの推進(社外とのコラボレーションを促進)
- 失敗を許容する文化の醸成(チャレンジを奨励)
- 社内のアイデア提案制度の運用
イノベーションファシリテーターに求められるスキル

イノベーションを促進するには、専門的なスキルとコミュニケーション能力が求められます。
① ファシリテーションスキル(議論の促進)
- ブレインストーミングの設計・運営
- 意見の対立を調整し、合意形成を支援
- 多様な意見を引き出し、最適なアイデアを導く
② デザイン思考・リーンスタートアップの理解
- ユーザー視点での問題発見(共感・観察)
- 素早くプロトタイプを作成し、検証を行う
- MVP(Minimum Viable Product)の考え方
③ 異分野とのコミュニケーション力
- エンジニア・マーケター・経営陣との連携
- 専門用語をかみ砕き、わかりやすく伝える力
- 社内外のパートナーシップを築く力
④ ビジネスモデル構築力
- 技術やアイデアを収益化する視点
- 市場動向・競争環境の分析
- 新規事業の実行計画の策定
これらのスキルをバランスよく備えることで、イノベーションの促進者としての価値を発揮できます。
イノベーションファシリテーターの活用事例

実際に、企業はどのようにイノベーションファシリテーターを活用しているのでしょうか?
① スタートアップ支援プログラムの運営(大手IT企業)
ある大手IT企業では、スタートアップとの協業を推進するための「アクセラレータープログラム」を運営しています。
イノベーションファシリテーターがスタートアップと社内の適切な部門をつなぎ、事業化を支援しています。
② 社内アイデア提案制度の導入(製造業)
製造業の企業では、社員が自由に新規事業のアイデアを提案できる制度を導入している所もあります。
その際、ファシリテーターがアイデアのブラッシュアップを支援し、実現可能なビジネスモデルへと発展させる役割を担っています。
③ DX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトの推進(金融業界)
金融業界では、DX推進のためにデータサイエンティスト・エンジニア・事業部門をつなぐ役割としてファシリテーターを配置しています。
データを活用した新サービス開発を加速させています。
まとめ
イノベーションファシリテーターは、企業の成長と変革を支える重要な役割を担っています。
- 異なる立場の人々をつなぎ、創造的な議論を促進する
- 新規事業のアイデアを具体化し、プロセスを設計する
- イノベーション文化を組織に根付かせる
- ファシリテーション、デザイン思考、ビジネスモデル構築のスキルが求められる
- 実際に、大手企業やスタートアップ支援、DX推進などで活用されている
今後、イノベーションが求められる場面はますます増えていきます。
企業が持続的に成長するためにも、「創造的仲介者」としてのイノベーションファシリテーターの役割は、今後さらに重要になっていくでしょう。
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