志望動機をブラッシュアップ!転職活動に役立つ効果的な作り方のコツ
(監修)中嶋 竜之介
株式会社ソマリ 代表取締役
ミスミ、リクルート、Amazon Japanを経て、転職エージェントである株式会社ソマリを創業。
独立後、3期目で転職成功支援者数は80名超。
Amazon、リクルートなどの大手有力企業への紹介実績と人事コネクションを強みに、あなたのキャリアをサポートいたします。
志望動機は書類選考段階ではほぼ不要、一次面接で聞かれない場合もあります。
一次面接に臨む段階で、そこまで志望動機がカッチリと仕上がっていなくても問題のないケースは非常に多いです。
選考において、非常に重要なことは「活躍性」と「定着性」の2点であり、一次面接では現場マネージャーにより「活躍性」に比重がおかれるケースが多いためです。
一方で、最終面接など選考が進んでいくとかなり志望動機を深堀されることも多くなるため、内定を勝ち取るためにはより重要になっていきます。
「志望動機を考えていたら数か月が経過、求人が終了してしまった…」となっては意味がありませんから、選考に進んでいく過程で磨き込んでいただければと思います。
とはいえ、志望動機が思いつかずお悩みの人も多いのではないでしょうか。
この記事では、転職活動の志望動機の作り方を詳しく解説します。
転職の志望動機が思いつかない・書けない原因
はじめに、転職の志望動機が思いつかない理由から分析しましょう。
原因と対処法を知ることで、志望動機作りに役立ちます。転職活動の志望動機が思いつかない原因は、主に次の3つです。
自己分析が甘い
1つ目の原因は、自己分析が甘いパターンです。
自分の特性や転職目的を理解していないと、「なぜ転職したいのか」の根本的な理由を自覚できません。
手始めに、以下の項目について考えてみましょう。
- スキルや資格
- これまでの経験
- 自身の長所・短所
- 仕事や人生における価値観
- 転職によって実現したい目標
このような項目を明らかにすれば、転職理由や転職の軸、志望するキャリアを具体化しやすくなります。
企業研究が足りていない
企業研究が足りていない場合、応募企業で働きたい理由を明確にできません。
さらに、応募企業への理解が中途半端だと、そもそも自分とマッチする企業であるかの判断が困難です。
志望動機が浮かばないばかりか、採用後のミスマッチを招くリスクもあります。
事業内容・業界動向だけでなく、社風や求める人物像などの情報も把握しましょう。
現職の不満や応募先の労働条件しか見ていない
現職の不満にばかり意識が向いていると、次のような労働条件の良さ以外に志望動機が思い浮かばないかもしれません。
- 給与が高いから
- 在宅勤務ができるから
- 残業が少ないから
- 福利厚生が充実しているから
労働条件を主軸にした志望動機では、応募企業に「仕事への意欲が低い(=活躍性が低い)」「すぐに転職しそう(=定着性が低い)」などの悪印象を持たれかねません。
前述の自己分析と企業研究を重ね、労働条件だけに焦点をあてず、企業のビジョンやカルチャーなどに共感した上で志望動機を作りましょう。
転職活動の面接で聞かれる質問の意図
面接官の質問の意図を知ると志望動機を考えやすくなり、面接時の質問にも明確に答えられます。
転職活動の面接で聞かれる質問の意図は、「活躍性」と「定着性」の2つに分かれます。
活躍性
活躍性の質問は、自社に貢献してくれる人材なのかを見極めるために尋ねられます。
具体的には、以下のような質問が当てはまります。
- 自身の強みと弱みは?
- これまでの仕事における成果は?
- どのような仕事にやりがいを感じる?
定着性
定着性の質問は、自社で長く働いてくれる人材なのかを判断する際に用いられます。
たとえば、下記の質問が挙げられます。
- 転職活動の軸は?
- 転職回数が多い理由は?
- 当社におけるキャリアプランは?
転職活動の志望動機の作り方
基本的に一次面接では志望動機についてあまり深掘りされないことが多く、転職理由や転職活動の軸などの質問の方が深掘りされる傾向にあります。
そして面接が進むほど「なぜ当社なのか」といった詳しい志望動機が深掘りされるため、転職理由や転職活動の軸などと照らし合わせつつ、詳細な志望動機を固めておくことが大切です。
志望動機は、次の4つの方法で作りましょう。
ネガティブな転職理由を前向きに変換する
ネガティブな転職理由は、前向きな言い方へ変換しましょう。
現職の不満を面接で言ってしまうと愚痴のように聞こえてしまい、他責思考な人物と判断されかねません。
また、「福利厚生が良い」「御社で学びたい」などの志望動機も、自分の利益のみ追求する「テイカー思考」と受け取られるリスクがあります。
現職の不満や自身の願望を押し出すのではなく、現職で得た強みを活かすためのポジティブな転職理由を考えてみてください。
一般論ではなく個人的な原体験を洗い出す
面接官からの質問には、一般論で答えるのは避けましょう。
たとえば、「なぜこの業界や会社で働きたいのか」の問いに「業界に将来性を感じたから」と一般論で答えると、説得力がなく意欲を感じてもらえません。
次のように、一般論ではなく個人の原体験をもとに答えると高い意欲を感じてもらえます。
質問例:なぜITコンサルタントになりたいのか?
解答例:SEとして働くなかで、「システム導入だけでなく業務フローの改革が必要」と思う案件が多い。上流工程からプロジェクトに携わり、多くの企業の抜本的改革を支援したい。
このように自身の原体験を洗い出し、具体的な志望動機を作りましょう。
将来のビジョンは過去を根拠にする
面接が進むと、自社への定着性を見極めるために将来のビジョンを質問されることがあります。
将来のビジョンを答える際は、「過去に○○という経験をしたので、将来は△△ということをしたい。そのために御社での経験が必要」といった論理展開がおすすめです。
唐突に将来の目標だけ話すよりも、説得力が高まります。
加えて、企業のビジョンにフィットする将来のキャリアビジョンを掲げられれば、定着性を高く評価されるでしょう。
企業と自分の接点を言語化する
企業と自分の接点を言語化すると、企業と自分のマッチ度を明らかにできます。以下の比較表をご覧ください。
企業 | 自分 |
---|---|
現在および未来の事業フェーズ | これまでの経歴 |
企業文化・社風 | 成功 / 失敗体験 |
人事・評価制度 | 人物タイプ |
業務内容 | 業務上の強み |
職務に必要なスキル | 得意な仕事 |
求める人物像 | 価値観・モチベーション |
企業と自分の各項目を言語化し、近しい項目が多いほど自分とマッチしている会社と言えます。
より強くマッチする企業に応募すれば、「なぜ他社ではなく自社でないとだめなのか」といった難しい質問にも答えられるでしょう。
応募書類への志望動機の書き方
志望動機を明確化したら、応募書類に簡潔に記載します。
面接で答える内容と矛盾しないように、以下3つの注意点に気をつけて志望動機を書いていきましょう。
結論から書き出す
志望動機は、「なぜ当社で働きたいのか」がわかる結論から書き出します。
結論から書き始めないと、何を伝えたいのかがぼやけてしまうためです。
さらに、論理的な文章力がないと判断される一因になる可能性もあります。
冒頭の一文で簡潔に結論を記せば、自身の論理的思考力と志望動機を伝えられます。
結論を補強する具体的な理由を記載する
はじめに書いた結論を補強するため、次に具体的な理由を書きます。
できる限り、業界および応募企業を志望するきっかけとなった原体験を根拠として書きましょう。
結論の説得力が増す上、応募書類で自身の定着性をアピールできます。
応募企業とマッチする人材だとアピールする
志望動機のほか、応募企業が求める人材である点の記載も欠かせません。
事前に応募企業と自分の接点を言語化していれば、企業とマッチする人材である根拠を書けます。
また、転職後に活かせるスキルや実務経験も合わせて書くことで、自身の活躍性を期待してもらえるでしょう。
まとめ
転職活動において志望動機を作る際は、自己分析と企業研究から着手しましょう。
その上で、原体験をもとにした前向きな志望動機を固めることが重要です。
とはいえ、自分ひとりで志望動機を作るのが難しい場合もあるでしょう。
転職エージェントに相談することで自身の特性や考えを整理しやすくなります。
志望動機にお悩みであれば、ぜひお気軽に「無料転職相談」からご希望をお寄せください。