転職先を決定する前にやるべき4つのステップ:心から納得して意思決定するための準備
(監修)中嶋 竜之介
株式会社ソマリ 代表取締役
ミスミ、リクルート、Amazon Japanを経て、転職エージェントである株式会社ソマリを創業。
独立後、3期目で転職成功支援者数は80名超。
Amazon、リクルートなどの大手有力企業への紹介実績と人事コネクションを強みに、あなたのキャリアをサポートいたします。
と、喜ぶ気持ち…すごく分かります!おめでとうございます!新たな人生の幕あけですね!
ただそのオファー、本当にあなたにとってベストなモノなのでしょうか?
転職先の企業を選ぶ際には、慎重な意思決定が不可欠です。転職活動の過程で自己分析し、企業を研究し、面接対策を一つ一つ練り上げ、前を向いて突き進んで来たのだからこそ、冷静な頭で一度後ろを振り返ることも同様に重要なのではないでしょうか。
オファーを受けたからといって即座に決定するのではなく、様々な要素を考慮し、納得のいく選択をすることが重要です。
では、転職先の意思決定をする前にやるべきことについて見ていきましょう。
企業をリサーチし直す
オファーを受けたときには、すでにその企業について十分なリサーチを行えていることが一般的ですが、意思決定前に改めてリサーチし直すことが重要です。
オファーを受けたからこそ、その企業の一員になるという新たな視点で企業のWebサイトや社内文化、従業員の声などを再確認できるので、その頭で自分がその企業で働くイメージや適合度を見極めましょう。また、SNSや口コミサイト、somalico「ホンネの企業解説」などからも情報を収集し、あなただけでは見えない客観的な視点で企業を評価することも重要です。
オファーを受ける前とは違う新たな角度からその企業を見ることで、より良い意思決定ができるかもしれません。
オファーレターに納得する
オファーレターを受け取ったら、その内容を十分に理解し、納得できるかどうかを確認しましょう。給与や福利厚生だけでなく、就業規則や役職、契約条件など、すべての項目を注意深く確認する必要があります。
また、求めていた条件や希望に沿えているかどうかも確認し、自分のキャリア目標と企業の方向性が合致しているかを確認します。オファーレターが納得できるものであれば次のステップに進むことができます。もしも納得できない箇所があったとしたら、企業との交渉が必要になります。
この交渉ですが、企業側に要求を出すというのが難しいと思われる方、結構多いと思います。というのも、オファーをいただくほどに自分を高評価された企業に対し、できるだけその良い評価を維持したまま入社したいと思うのは必然です。
一方で交渉するとなると、給与の増額であったり、福利厚生面でのサポート要求や役職の注文など、出方を間違えると悪い印象に繋がりかねなく、評価を下げてしまうかもしれないと思えたりします。
そのような時には、転職エージェントの力を借りると良いでしょう。エージェントは、あなたと企業の間に入り契約交渉をディレクションすることも一つの重要なミッションです。
「実は現職では借り上げ社宅だったから可処分所得がもっと多かった」や、「育児をしながら働くのでフレックス勤務を認めてほしい」など、その企業の選考をサポートしてくれたエージェントにぜひ相談してみてください。
希望条件が叶えられるかは状況次第ですが、企業側に要望を伝え、オファー内容の再確認を促してもらえることでしょう。
オファー面談でしっかりと口頭でも確認する
一般的に内定となった場合、オファー面談、条件面談を実施するケースが多いです。
よくある事例ですと、人事の方+配属先上長の方が同席し、人事の方から給料や労務領域、人事制度に関するお話があり、配属先上長の方からは具体的にお任せしたい業務の詳細等のお話があります。
あまり知られていないのですが、オファー面談は複数回実施することも度々発生します。確認しきれなかったことなど、どんな些細なことでもモヤモヤすることがあれば必ずオファー面談で漏れなく確認すべきでしょう。「一緒に仕事をするチームメンバーともお話したい」という形でエージェント経由で交渉し働く方々との相性を確かめるのも有効な手段です。
入社してみて「やっぱり違った・・」となって早期離職になるのは全員不幸です。現職を辞めたい気持ちが先行しすぎてしまうと、目の前のオファーに盲目的に意思決定してしまうリスクもあります。
どんなに現職へのネガティブが気持ちが強い場合でも、入社後に「思っていたのと違った!」とならないように確認を徹底しましょう。
第三者の意見を求める
転職先の意思決定をする前に、第三者からの意見を求めることも重要です。
家族や友人、エージェントなど、第三者にその企業についての印象を聞いてみましょう。彼らからのフィードバックは、冷静な視点を与えてくれるだけでなく、自分が見落としていた点や懸念事項を指摘してくれるかもしれません。その結果、より客観的な意思決定ができることでしょう。
転職先の企業に意思決定する際には、慎重かつ綿密な準備が必要です。改めて企業をリサーチし、オファーレターに納得し、第三者の意見を求めることで、自身が心から納得できる良い転職先を見つけることができます。
自分のキャリアに合った選択をするために、これらのステップをしっかりと踏んでいきましょう。
とはいえBefore Afterのギャップは多かれ少なかれある
オファー面談で聞いていた話と実態が違った!聞いていたのと違った!!という理由で転職活動を再開する人が一定数いらっしゃるのも事実です。その内訳としては2つのパターンがあります。
- 誰が見ても企業サイドがおかしいパターン
(例)経理と聞いてたのに営業を担当させられた - 転職希望者の方の過剰反応パターン
(例)新規営業の割合が3割と聞いていたのに5割だった
大前提として、ビジネスの世界は生モノであり、日々市況は変化しています。
タピオカが流行している時にタピオカを作る仕事を募集して応募したけど、タピオカが売れなくなったからクレープを作って欲しいというのはよくある話です。
そのため、入社前に聞いてた話と実態にギャップが生じる可能性は多かれ少なかれあると思って頂いた方がいいでしょう。
上司が辞めるリスクもありますし、部署のミッションが変わる可能性もあります。
転職活動の場合、内定から入社まで1-2か月かかることが一般的です。
その間に他の類似部署の方が退職(または女性の方の産休・育休)などで玉つき人事が発生して変わる可能性は無数にあります。
一方で、条件面談で、「君の経理としての専門性をぜひうちで発揮してほしい」という形で入社したのに、完全未経験の営業職を40才になってやらされる等、客観的に見て明らかに聞いてた話と違う場合は企業側を疑った方が良いかもしれません。
そういった一般常識と乖離がある判断を行ってしまう会社ではないかを見極めることもとても大事です。
そのようなリスクに備える意味でも、期待値も含めてオファー面談でご確認頂く方がベターです。
(例)「入社して数か月でミッションが大幅に変わる可能性はありますか?」
転職は家族や、先方の組織等多くの人を巻き込む重大な意思決定です。
ぜひ後悔のないよう、吟味を徹底した上で最終的な意思決定をして頂ければと思います。