EOR 2026.10.09
QAエンジニア採用はなぜ難しい?必要なスキル・採用方法・海外人材という選択肢
【記事概要】
QAエンジニア採用は、開発組織が大きくなるほど重要になる
「リリース前のテストが毎回ギリギリになる」
「エンジニア自身がテストまで担当していて、開発スピードが落ちている」
「品質管理を任せられる人が欲しいが、QAエンジニアから応募が来ない」
こうした悩みを抱える企業は少なくありません。
プロダクト開発の初期段階では、開発エンジニア自身がテストまで担当することもあります。
しかし、機能が増え、ユーザー数が増え、リリース頻度が上がると、品質保証を専任で担うQAエンジニアの重要性が高まります。
不具合が頻発すれば、開発チームの負担が増えるだけではありません。
問い合わせ対応。
緊急修正。
ユーザーへの説明。
信頼低下。
こうしたコストまで発生します。
だからこそ、QAエンジニアは「最後にテストをする人」ではなく、開発プロセス全体の品質を高める存在として考える必要があります。
一方で、QAエンジニア採用は決して簡単ではありません。
求める役割が企業ごとに異なり、テスト実行だけを担当する人と、テスト設計や自動化、品質戦略まで担う人では必要なスキルが大きく違うからです。
QAエンジニア採用が難しい4つの理由
1. QAエンジニアの役割が企業ごとに違う
「QAエンジニア募集」と書いても、実際の仕事内容は企業によって大きく異なります。
たとえば、
- 手動テストの実施
- テストケース作成
- テスト計画
- 不具合分析
- E2Eテスト自動化
- CI/CDへのテスト組み込み
- 品質指標の設計
- 開発プロセス改善
など、求められる業務は幅広くあります。
そのため、求人票で役割が曖昧だと、候補者自身も「自分に合う求人なのか」を判断できません。
採用を成功させるには、「QAエンジニアが欲しい」ではなく、「どの工程を任せたいのか」を具体化することが重要です。
2. 即戦力を求めると候補者が減る
QAエンジニア採用では、
「テスト設計ができる」
「自動化もできる」
「開発経験もある」
「CI/CDもわかる」
「品質改善の提案もできる」
といった条件を一人に求めがちです。
もちろん、すべてできる人材がいれば理想的です。
しかし、その条件を満たすQAエンジニアは限られます。
特にスタートアップや少人数の開発組織では、一人目のQAに多くを求めすぎる傾向があります。
本当に必要なのが「リリース前の品質を安定させること」なら、最初からQA組織全体を設計できる人でなくてもよいかもしれません。
3. QA経験だけでは技術力を判断しにくい
QAエンジニアの職務経歴書を見ると、
「テスト経験5年」
「WebサービスのQA経験3年」
といった記載があります。
ただし、年数だけでは実際に任せられる業務がわかりません。
同じテスト経験5年でも、
「決められたテストケースを実行していた人」
と、
「要件からテスト観点を洗い出し、自動テストまで設計していた人」
では、スキルレベルが大きく異なります。
採用面接では、経験年数ではなく具体的なプロジェクトの中身を確認する必要があります。
4. 開発エンジニアとの境界が曖昧になっている
近年のQAでは、自動テストやCI/CDとの連携など、開発スキルが求められるケースもあります。
たとえば、
- Playwright
- Cypress
- Selenium
- Appium
- GitHub Actions
- Jenkins
などを使って、テスト自動化を進めるQAエンジニアもいます。
そのため、「テストだけできればよい」という求人と、「コードを書けるQA」を求める求人では採用市場が異なります。
開発スキルまで求めれば、その分だけ採用難易度も上がります。

QAエンジニア採用で確認したいスキル
QAエンジニアを採用するときは、必須スキルと歓迎スキルを分けることが重要です。
必須スキルの例
- テスト設計経験
- テストケース作成経験
- WebまたはアプリのQA経験
- 不具合管理の経験
- 開発チームとのコミュニケーション経験
歓迎スキルの例
- E2Eテスト自動化
- Playwright、Cypress、Seleniumなどの利用経験
- CI/CDの知識
- APIテスト経験
- SQLの基礎知識
- プログラミング経験
- QAチーム立ち上げ経験
- 品質指標の設計経験
一人目のQAを採用する場合は、テスト実務だけでなく、開発チームと一緒に品質プロセスを作れるかも重要になります。
一方、すでにQA責任者がいる組織であれば、テスト実行や自動化に強い人材を採用する方法もあります。
採用要件は、自社のQA組織の成熟度によって変える必要があります。
QAエンジニア面接で確認したいポイント
テストケースをどう考えるか
QAエンジニア面接では、「どのツールを使ったことがあるか」だけでは不十分です。
たとえば、
「ログイン機能をテストするとしたら、何を確認しますか」
と聞いてみます。
正常ログインだけでなく、
- パスワード間違い
- 未登録メールアドレス
- 入力文字数
- ロック処理
- セッション
- セキュリティ
など、どこまで観点を広げられるかを見ることができます。
QAエンジニアにとって重要なのは、単に仕様通り動くかを確認することではありません。
「どこで問題が起きそうか」を想像できる力です。
不具合が見つかったときの対応
QAでは、バグを見つけること以上に、開発チームへ正しく伝える能力が重要です。
面接では、
「再現しにくい不具合を見つけたらどうしますか」
「エンジニアから仕様だと言われた場合はどうしますか」
などを聞いてみるとよいでしょう。
再現手順。
環境。
ログ。
発生頻度。
期待する動作。
こうした情報を整理できるかを見ることができます。
自動化すべきテストを判断できるか
テスト自動化の経験者を採用する場合、単に「自動化できます」だけでは不十分です。
重要なのは、
「何を自動化し、何を手動で残すのか」
を判断できることです。
すべてのテストを自動化すればよいわけではありません。
変更頻度、実行頻度、メンテナンスコストなどを考えながら判断できる人材は、より実務的です。
QAエンジニアを採用する方法
求人媒体
最も一般的な方法です。
求人票では、「QAエンジニア」という職種名だけでなく、
- WebサービスのQA
- モバイルアプリQA
- テスト自動化
- QAリード
- SET/SETに近い役割
など、具体的な仕事内容を明記すると候補者に伝わりやすくなります。
ダイレクトスカウト
QAエンジニア経験者に直接アプローチする方法もあります。
スカウト文では、
「QA経験者を探しています」
だけではなく、
「現在は開発エンジニアがテストまで担当している」
「これから自動化を進めたい」
「一人目のQAとしてプロセス設計から任せたい」
など、組織の課題を具体的に伝えるとよいでしょう。
リファラル採用
社内の開発エンジニアやプロダクトマネージャーが、過去に一緒に働いたQAエンジニアを紹介できるケースもあります。
QAは開発チームとの連携が重要なため、過去に一緒に働いた経験がある人材は、採用後のミスマッチを減らしやすいこともあります。
業務委託・SES
リリース直前など、一時的にQAリソースを増やしたい場合は、業務委託やSESも選択肢です。
短期間で経験者を確保しやすいメリットがあります。
一方、長期的に品質改善を続けたい場合は、外部人材だけではノウハウが社内に残りにくいことがあります。
短期的なテスト要員と、長期的なQAメンバーを分けて考えることが重要です。

QAを外注し続ける場合のデメリット
QA業務は外注しやすい領域でもあります。
テストケースを渡し、外部チームに実行してもらう方法です。
しかし、長期間すべてのQAを外注すると、
「なぜこの不具合が起きるのか」
「どこに品質上の弱点があるのか」
「開発プロセスのどこを改善すべきか」
といった知識が外部に蓄積しやすくなります。
QAは単なる検品ではありません。
本来は、開発の初期段階から品質を作り込む役割です。
プロダクトを長期的に育てる企業では、一定のQA知識を社内に持つことが重要になります。
国内でQAエンジニアを採用できないなら海外人材も選択肢になる
QAエンジニア採用が進まない場合は、採用市場を海外まで広げる方法もあります。
ソフトウェアテストやテスト自動化で使われる技術の多くは世界共通です。
そのため、
- Web QA
- モバイルQA
- APIテスト
- 自動テスト
- CI/CD
などの経験を持つ海外エンジニアも採用対象になります。
特にリモート開発をしている企業であれば、QAエンジニアが日本国内にいる必要がないケースもあります。
一方で、海外人材を雇用しようとすると、
「現地法人がない」
「雇用契約をどうするのか」
「給与計算や社会保険はどうするのか」
といった課題が出てきます。
そこで利用できる仕組みのひとつがEORです。
EORで海外QAエンジニアを採用する方法
EORとはEmployer of Recordの略で、現地の雇用主体を通じて海外人材を雇用する仕組みです。
企業側は現地法人を一から設立せず、海外人材を自社チームへ迎える方法を検討できます。
Somali EORでは、日本語でコミュニケーションできるインドネシア人エンジニアなどを、海外正社員モデルで採用する選択肢があります。
採用要件を整理し、候補者選定、書類選考、面接、オファー、就業開始へ進められるため、「海外エンジニアに興味はあるが、候補者の探し方がわからない」という企業でも検討しやすい仕組みです。
QAやテスト領域でも、必要な経験や日本語レベルを整理したうえで海外人材まで候補者を広げることで、国内採用だけとは異なる人材プールへアクセスできる可能性があります。
また、エンジニア人材については月額30〜40万円台から検討できるケースもあります。
実際の費用は、QA経験、テスト自動化スキル、開発経験、日本語力などによって変わります。
ただし、海外QAエンジニアが本番環境や顧客データへアクセスする場合は、情報セキュリティにも注意が必要です。
アクセス権限、個人情報、テストデータ、ログ管理など、自社のセキュリティポリシーや顧客との契約条件を確認したうえで運用することが重要です。
また、海外雇用に関する労務、税務、社会保険、契約ルールは国や地域によって異なります。最新制度を確認し、必要に応じて専門家へ相談することが望まれます。
QAエンジニア採用では「テストする人」ではなく「品質を作る人」を探す
QA採用がうまくいかない企業では、求人票を一度見直してみる価値があります。
「テストケースに沿ってテストを実施する」
だけの求人になっていないでしょうか。
経験豊富なQAエンジニアほど、
「どのように品質を改善できるか」
「開発プロセスにどこから関われるか」
「自動化をどこまで進められるか」
といった点を見ています。
そのため、
「QAを開発の最後に置く」
のではなく、
「企画や設計の段階からQAに参加してもらう」
という組織設計も重要です。
プロダクトの品質は、リリース直前のテストだけで作られるものではありません。
要件定義、設計、実装、レビュー、テスト。
すべての工程で品質を作る。
その考え方を共有できるQAエンジニアを採用することが、長期的な開発組織の強化につながります。
まとめ:QAエンジニア採用は、役割を明確にして候補者を広げる
QAエンジニア採用が難しい理由は、単純な人数不足だけではありません。
企業ごとにQAへ求める役割が異なり、自動化や開発スキルまで求めると候補者が限定されるからです。
QAエンジニア採用で押さえておきたいポイントは次の通りです。
- QAに任せたい業務を具体的にする
- テスト実行、設計、自動化、品質改善を分けて考える
- 経験年数だけではなく実際の担当業務を見る
- 必須スキルと歓迎スキルを分ける
- 自動化ツールの経験だけでなく、テスト設計力も確認する
- 短期的なテストリソースには業務委託やSESも使い分ける
- 長期的にはQAノウハウを社内に蓄積する
- 国内で採用できない場合は海外エンジニアまで候補者を広げる
- EORを利用すれば、海外法人なしで海外正社員モデルを検討できる
QAエンジニアを採用する目的は、「テストを誰かに任せること」だけではありません。
開発チームが安心してリリースできる状態を作ること。
不具合を早い段階で見つけること。
同じ問題を繰り返さない開発プロセスを作ること。
その役割を明確にしたうえで採用市場を広げれば、QAエンジニア採用の選択肢は増えていきます。
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