EOR 2026.10.20
システム開発を外注するデメリットとは?失敗しやすい理由と内製化・EORという選択肢
【記事概要】
システム開発の外注は便利だが、万能ではない
「社内にエンジニアがいないから、とりあえず開発会社に任せよう」
システム開発を始めるとき、外注は非常に現実的な選択肢です。
採用には時間がかかりますが、外注であれば必要な技術を持つ会社やエンジニアを比較的早く確保できます。社内に開発組織を持たない企業でも、Webシステム、業務システム、スマートフォンアプリなどを開発できます。
一方、外注を続けるうちに別の悩みが生まれることもあります。
「仕様変更のたびに追加費用が発生する」
「社内にシステムのことを理解している人がいない」
「開発会社を変えたいが、引き継ぎが難しい」
「小さな修正でも、見積もりと調整に時間がかかる」
外注は、短期的には人材不足を解決してくれます。
しかし、長期的にシステムを育てていく場合は、外注特有のデメリットも理解しておく必要があります。
システム開発を外注する7つのデメリット
1. 開発ノウハウが社内に蓄積しにくい
システム開発を外部企業へ任せると、設計や実装の知識が外注先に集中しやすくなります。
たとえば、
「なぜこの仕様になっているのか」
「どの部分を変更すると影響が出るのか」
「障害が起きたとき、どこを確認すればよいのか」
といった情報を外注先しか把握していない状態になることがあります。
担当者が退職したり、開発会社との契約を終了したりすると、急にシステムの中身がわからなくなることもあります。
システムが事業の中心にある企業ほど、この問題は大きくなります。
単に「システムを作ってもらう」のではなく、将来的に誰が運用・改善するのかまで考えて外注することが重要です。
2. 仕様変更のたびにコストが発生しやすい
システム開発では、途中で仕様が変わることは珍しくありません。
実際にユーザーへ見せたら使いづらかった。
営業部門から新しい要望が出た。
事業方針そのものが変わった。
こうした変更は、特にスタートアップや新規事業では頻繁に起こります。
しかし、外注では当初の契約範囲を超える変更について、追加見積もりが発生することがあります。
社内エンジニアであればすぐ修正できる小さな変更でも、
「要件確認」
「見積もり」
「発注」
「実装」
という工程が必要になる場合があります。
事業の変化が速い企業ほど、外注の契約構造が開発スピードを落とす原因になることがあります。
3. コミュニケーションコストが高くなる
外注では、「伝えたつもり」と「理解したつもり」のズレが起こりやすくなります。
たとえば発注側が、
「この画面をもっと使いやすくしてください」
と伝えたとしても、「使いやすい」の意味は人によって違います。
社内のエンジニアであれば、営業担当者やユーザーの反応を日常的に見ながら意図を理解できます。
一方、外注先には事業背景から説明する必要があります。
そのため、
- 要件定義書を作る
- 仕様を詳細に説明する
- 質問へ回答する
- 定例ミーティングを行う
- 成果物を確認する
といったコミュニケーションが増えます。
「外注すれば社内の工数がゼロになる」と考えると、期待とのズレが生まれやすいでしょう。
4. 開発スピードを自社だけでコントロールできない
外注先にも、他の顧客やプロジェクトがあります。
自社では緊急度が高い修正でも、外注先のスケジュールによってはすぐに対応してもらえないことがあります。
「明日までに直したい」
と思っても、
「最短で来週です」
と言われれば、それを待たなければなりません。
特にEC、SaaS、Webサービスなど、顧客の反応を見ながら頻繁に改善するビジネスでは、このタイムラグが問題になります。
開発スピードそのものが競争力になる企業では、重要な開発領域をどこまで外部に任せるか慎重に考える必要があります。
5. 外注費が長期的に膨らむことがある
外注の初期費用だけを見ると、社員を採用するより合理的に見える場合があります。
しかし、数年単位で開発を続けると話が変わります。
新規機能開発。
保守運用。
障害対応。
仕様変更。
サーバー移行。
セキュリティ対応。
システムは一度作れば終わりではありません。
長期間にわたって外注費を払い続けると、「最初から開発メンバーを採用したほうが総コストは低かった」というケースもあります。
特にSESやフリーランスを複数人、長期間利用する場合は、月額費用が大きな固定コストになります。
そのため、短期的な外注費だけでなく、2年、3年という期間で総額を比較することが重要です。
6. 外注先への依存度が高くなる
特定の開発会社だけがシステムの構造を理解している状態になると、外注先を変更しにくくなります。
いわゆるベンダーロックインに近い状態です。
「単価が上がった」
「対応が遅くなった」
「別の会社に変更したい」
と思っても、仕様書やソースコード、インフラ構成が整理されていなければ簡単には切り替えられません。
新しい会社へ移行するときに、大きな引き継ぎコストが発生する場合もあります。
外注する場合は、
- ソースコードの管理方法
- ドキュメントの所有権
- アカウント管理
- インフラ構成
- 引き継ぎ方法
- 知的財産権
などを契約前に確認しておくことが重要です。
7. 事業理解が浅くなりやすい
外注先のエンジニアは、当然ながら発注企業の社員ではありません。
そのため、技術的には優秀でも、
「なぜこの機能が必要なのか」
「どの顧客を一番大切にしているのか」
「事業として今どこを伸ばしたいのか」
まで理解しているとは限りません。
言われた仕様通りに作ることはできても、事業側から見た改善提案までは出てこないことがあります。
プロダクト開発では、技術力だけでなく事業理解も重要です。
長期的にシステムを育てるなら、事業と技術の両方を理解する人材を社内に持つことが重要になります。

外注が向いているシステム開発もある
ここまでデメリットを紹介しましたが、システム開発の外注自体が悪いわけではありません。
むしろ、外注が適しているケースも多くあります。
たとえば、
- 短期間だけ専門技術が必要
- 一度作れば大きく変更しないシステム
- 社内に開発人材を採用する予定がない
- 開発期間が明確
- 要件が固まっている
- 特定領域の専門会社へ任せたほうが効率的
といったケースです。
たとえば、数か月だけ必要なクラウド移行やセキュリティ診断であれば、専門企業へ外注したほうが合理的なことがあります。
問題は、「すべて外注」か「すべて内製」かという二択で考えることです。
重要な領域は内製し、専門性が必要な部分だけ外注する方法もあります。
外注と内製はどう使い分ける?
システム開発を外注するか内製するか迷ったら、「その機能が事業にどれだけ重要か」で考えると判断しやすくなります。
たとえば、自社サービスそのものを開発しているSaaS企業なら、プロダクトの中核部分は内製したほうがよいケースが多いでしょう。
一方、社内の勤怠管理ツールや一時的なデータ移行などであれば、外注でも大きな問題にならないことがあります。
目安としては、
「頻繁に改善する必要があるもの」
「自社独自のノウハウが詰まっているもの」
「事業競争力に直結するもの」
ほど、内製との相性がよいと言えます。
反対に、
「仕様が明確」
「短期的に必要」
「自社の競争優位にならない」
という領域は、外注しやすいでしょう。

内製したくてもエンジニアを採用できない問題
ここで多くの企業が直面するのが、エンジニア採用の壁です。
「本当は内製化したい。でも採用できない」
という状態です。
国内でエンジニアを募集しても応募が来ない。
人材紹介会社に依頼しても候補者が出てこない。
ようやく採用できそうでも、提示年収が予算を超える。
そこで結局、SESや業務委託へ戻る。
こうした流れを繰り返している企業もあります。
短期的には外注で解決できます。
しかし、長期的な開発体制を考えるなら、「国内正社員採用だけが内製化の方法ではない」という視点も必要です。
海外エンジニアを自社チームに迎える方法もある
リモート開発が可能なら、採用対象を海外まで広げる方法があります。
たとえば、海外のフルスタックエンジニアやバックエンドエンジニアを長期的な開発メンバーとして迎える方法です。
海外まで候補者を広げると、国内市場だけで採用する場合とは異なる人材プールへアクセスできます。
ただし、
「海外法人がない」
「現地で雇用契約をどう結ぶかわからない」
「給与計算や社会保険はどうするのか」
という課題があります。
そこで選択肢になるのがEORです。
EORなら「外注ではなく海外正社員」という選択肢を持てる
EORとはEmployer of Recordの略で、現地の雇用主体を通じて海外人材を雇用する仕組みです。
企業側は海外法人を一から設立せず、海外エンジニアを自社チームに迎える方法を検討できます。
Somali EORでは、日本語でコミュニケーションできるインドネシア人エンジニアなどを、海外正社員モデルで採用する選択肢があります。
採用要件の整理から候補者の選定、面接、オファー、就業開始まで進められるため、「内製化したいが国内ではエンジニアを採用できない」という企業でも検討しやすい仕組みです。
エンジニア人材については、月額30〜40万円台から検討できるケースもあります。
国内のSESやフリーランスを月額で長期利用している場合、海外正社員モデルへ切り替えることで開発人材コストを見直せる可能性があります。
もちろん、単純に「外注よりEORのほうが安いから切り替える」という考え方ではありません。
短期間だけ人材が必要ならSESや業務委託のほうが適している場合があります。
一方で、
「2年、3年と長期的に働いてほしい」
「プロダクトや事業を理解してほしい」
「自社の開発ノウハウを蓄積したい」
という場合は、正社員に近い形で長期的なチームを作る選択肢を検討する価値があります。
また、海外雇用では対象国ごとに労働法、税務、社会保険、契約、知的財産などの確認が必要です。
EORを利用する場合でも、制度や契約条件を確認し、必要に応じて専門家と相談しながら運用することが重要です。
外注から内製化するときは、すべてを一気に変えなくていい
「外注のデメリットが大きいから、来月から全部内製にしよう」
という進め方は現実的ではありません。
既存システムを外注している場合、外部のエンジニアが持っている知識を社内へ移す時間が必要です。
そのため、段階的に内製化する方法があります。
たとえば、
最初は外注80%、社内20%。
次に外注50%、社内50%。
最終的にコア領域は社内、専門領域だけ外注。
という形です。
既存の開発会社やSESをすぐに切るのではなく、社内側にエンジニアを増やしながら徐々に知識を移していきます。
海外エンジニアをEORで採用する場合も同じです。
日本側のCTOや開発責任者が中心となり、海外メンバーへ仕様や開発ルールを共有しながら、少しずつ担当領域を広げていく方法が現実的です。
まとめ:システム開発の外注は「短期には便利、長期では設計が必要」
システム開発の外注には、専門人材を短期間で確保できるという大きなメリットがあります。
一方で、長期的に利用すると、コスト、スピード、ノウハウ、外注先への依存などが課題になる場合があります。
システム開発を外注するときに押さえておきたいデメリットは次の通りです。
- 開発ノウハウが社内に蓄積しにくい
- 仕様変更のたびに追加費用が発生しやすい
- コミュニケーションコストがかかる
- 開発スピードを自社だけで決めにくい
- 長期間では外注費が膨らむ可能性がある
- 特定の外注先に依存しやすい
- 事業理解が浅くなりやすい
- コア領域は内製、専門領域は外注という使い分けもできる
- 国内で採用できない場合は海外エンジニアも検討できる
- EORを使えば海外法人なしで海外正社員モデルを検討できる
外注するか、内製するか。
重要なのは、どちらか一方を選ぶことではありません。
「このシステムを3年後、誰が育てているべきか」
という視点から考えることです。
短期的に必要な技術は外注する。
長期的に事業を支える開発メンバーは社内に持つ。
国内で採れなければ、海外まで採用市場を広げる。
こうした組み合わせを考えることで、外注の便利さを活かしながら、依存しすぎない開発体制を作ることができます。
Somali EORで、採用の壁を越える新しい一歩を
採用難が続く今だからこそ、海外の優秀なエンジニアを安定的に、かつコスト効率良く採用できる「Somali EOR」という選択肢が注目されています。
SESでも業務委託でもない「第三のモデル」で、あなたの企業の成長を後押ししませんか?
▼まずはこちらからお気軽にお問い合わせください。