EOR 2026.11.06
外国人エンジニア採用とは?メリット・採用方法・在留資格・海外雇用までわかりやすく解説
外国人エンジニア採用が、特別な選択肢ではなくなってきた
「エンジニアを採用したいのに、応募が来ない」
「人材紹介会社に依頼しても、条件に合う候補者がなかなか見つからない」
「採用できても、人件費や紹介手数料が想定以上に重い」
こうした悩みを抱える企業にとって、外国人エンジニア採用は現実的な選択肢のひとつになっています。
実際、日本で働く外国人労働者は増加しています。厚生労働省によると、2025年10月末時点の外国人労働者数は257万1,037人で過去最多となり、そのうち「専門的・技術的分野の在留資格」で働く人は86万5,588人まで増えています。
IT分野でも海外人材の活用は進んでいます。厚生労働省は企業向けに「海外IT人材採用・定着ハンドブック」を公開しており、日本のIT分野で働いた経験のある外国人材の約3割が就職を機に来日したとしています。
国内だけで候補者を探すのではなく、外国人エンジニアまで対象を広げることは、採用母集団そのものを変える方法です。
外国人エンジニアを採用するメリット
1. エンジニアの採用候補者を大きく広げられる
外国人エンジニア採用の最大のメリットは、国内の日本人採用だけでは出会えない候補者まで対象にできることです。
特に、
- フルスタックエンジニア
- モバイルアプリエンジニア
- クラウドエンジニア
- バックエンドエンジニア
- AI・データエンジニア
など、専門性の高い人材は国内でも採用競争になりやすい職種です。
同じ国内候補者を複数企業で取り合うのではなく、採用する地域そのものを広げれば、候補者プールを増やせます。
2. グローバルな開発組織を作れる
外国人エンジニアを採用すると、単純な人手不足の解消だけではなく、開発組織の多様性にもつながります。
海外市場のユーザー視点を持つメンバーが加わったり、日本では一般的でない開発経験が持ち込まれたりすることもあります。
将来的に海外展開を考えている企業であれば、外国人エンジニアの存在そのものが組織のグローバル化につながる場合もあるでしょう。
3. 採用コストを見直せる可能性がある
国内エンジニア採用では、給与だけでなく人材紹介手数料や採用媒体費なども発生します。
正社員を採用できず、SESやフリーランスを長期間利用すると、月額費用が積み上がることもあります。
海外人材の場合は国や地域によって給与水準が異なるため、日本国内と比較して採用コストを抑えられるケースがあります。
ただし、「外国人だから安い」という考え方は適切ではありません。
スキル、経験、言語力、市場価値に応じた適正な待遇を設定することが、採用後の定着にも重要です。

外国人エンジニアを採用する2つの方法
外国人エンジニア採用を考えるときは、まず「日本で働いてもらうのか」「海外在住のまま働いてもらうのか」を分けて考える必要があります。
この2つでは、雇用方法が大きく異なります。
方法1. 日本国内で外国人エンジニアを雇用する
すでに日本に住んでいる外国人や、採用後に来日する外国人を日本国内で雇用する方法です。
ITエンジニアの場合、仕事内容や本人の学歴・職歴などの条件によって、「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格が検討されることがあります。
出入国在留管理庁では、「技術・人文知識・国際業務」を、自然科学や人文科学の分野に属する技術・知識を必要とする業務などを対象とする在留資格として整理しています。
ただし、エンジニア職であれば自動的にこの在留資格になるわけではありません。
仕事内容、本人の専攻、実務経験、雇用条件などによって確認事項が変わるため、採用時には出入国在留管理庁の最新情報や、必要に応じて行政書士などの専門家へ確認することが重要です。
方法2. 海外在住のままリモートで働いてもらう
もうひとつが、海外に住んでいるエンジニアに、その国からリモートで働いてもらう方法です。
この場合、日本に来日しないため、日本の就労在留資格を前提とした採用とは考え方が異なります。
一方で、現地でどう雇用するかという問題が生まれます。
たとえば、
「現地法人がない」
「雇用契約を誰と結ぶのか」
「給与はどう支払うのか」
「現地の社会保険はどうするのか」
「労働法や税務を自社で確認できない」
といった課題です。
そこで選択肢になるのがEORです。

外国人エンジニア採用で確認したい5つのポイント
1. 日本語力をどこまで求めるか
外国人エンジニアを募集するとき、最初から「日本語ネイティブレベル」を条件にすると候補者が大幅に減ります。
そこで重要なのが、実際の業務でどの程度の日本語が必要なのかを整理することです。
顧客との折衝が多いポジションなら高い日本語力が必要でしょう。
一方、社内の開発チームで仕様書やチャットを中心にコミュニケーションするのであれば、日常会話レベルでも働ける場合があります。
「外国人だから日本語力が不安」と一括りにせず、ポジションごとに必要なコミュニケーション水準を定義することが重要です。
2. 技術力をどう評価するか
外国人エンジニア採用でも、基本的な評価軸は日本人採用と変わりません。
GitHubやポートフォリオ、これまでのプロジェクト、担当工程、使用技術などを確認します。
たとえば、
- どんな機能を実装したか
- 要件定義や設計に関わったか
- コードレビュー経験があるか
- チーム開発を経験しているか
- 障害発生時にどう対応したか
など、具体的な実務経験を聞くと評価しやすくなります。
3. 給与を国籍だけで決めない
海外人材を採用する目的がコスト削減だけになると、採用後のミスマッチにつながりやすくなります。
同じ国でも、経験年数、専門性、日本語力、英語力、マネジメント経験によって市場価値は異なります。
重要なのは、「自社で任せたい仕事に対して適正な給与か」という観点です。
4. オンボーディングを設計する
外国人エンジニア採用では、入社後のコミュニケーション設計が特に重要です。
たとえば、
- 開発ルールを文書化する
- 定例ミーティングを設ける
- 仕様を口頭だけで伝えない
- コードレビューのルールを明確にする
- 1on1を定期的に実施する
といった取り組みが有効です。
これは外国人に限った話ではありませんが、言語や文化が異なるチームでは、とくに「暗黙の了解」に頼らない運用が求められます。
5. 在留資格・労務・税務を確認する
日本で雇用する場合は在留資格、海外在住のまま働いてもらう場合は現地労務など、採用方法によって確認事項が異なります。
「外国人エンジニアを採用したから、あとは通常の国内採用と同じ」とは限りません。
国や地域、本人の在留資格、勤務場所、契約形態によって扱いが変わるため、最新情報の確認が必要です。
外国人エンジニア採用でありがちな失敗
外国人エンジニア採用でよくある失敗のひとつが、「日本人採用とまったく同じ条件」で探し続けることです。
たとえば、
「日本語N1必須」
「日本企業での経験3年以上」
「日本在住必須」
「特定の技術経験5年以上」
と条件を積み上げれば、外国人まで対象を広げた意味が薄くなります。
もちろん、業務上必要な条件は残す必要があります。
しかし、本当に必要なのが「日本語で仕様確認ができること」であれば、日本企業での勤務経験まで必須にする必要はないかもしれません。
もうひとつは、「外国人を採用すればすぐにグローバルチームになる」と考えることです。
採用しただけでは組織は変わりません。
情報共有、ドキュメント、評価制度、コミュニケーション方法などを整え、外国人メンバーも参加しやすいチームを作る必要があります。
海外在住の外国人エンジニアならEORという方法もある
外国人エンジニアを採用するからといって、必ず日本へ呼び寄せる必要はありません。
リモート開発ができる企業であれば、海外在住のまま自社チームに参加してもらう方法もあります。
EORとはEmployer of Recordの略で、現地の雇用主体を通じて海外人材を雇用する仕組みです。
現地法人を一から設立せずに海外人材を雇用する方法を検討できるため、海外拠点を持たない中小企業やスタートアップでも導入しやすいのが特徴です。
Somali EORでは、たとえば日本語でコミュニケーションできるインドネシア人エンジニアを、海外正社員モデルで採用する選択肢があります。
要件ヒアリングから候補者選定、面接、オファー、就業開始まで進められるため、「外国人エンジニアを採用したいが、そもそも候補者をどこで探せばいいかわからない」という企業にも適しています。
また、エンジニア人材について月額30〜40万円台から検討できるケースもあります。実際の費用はスキル、経験、日本語力などによって変動します。
これはSESや業務委託とは異なり、海外人材を長期的に自社の開発メンバーとして迎えることを考えやすいモデルです。
ただし、EORを利用すれば海外雇用に伴う法務・税務上の確認が不要になるわけではありません。対象国の労働法、税務、社会保険、知的財産、個人情報などを確認し、EOR事業者や必要に応じて専門家と運用を設計することが重要です。
まとめ:外国人エンジニア採用は「国内採用の代替」ではなく採用市場を広げる戦略
外国人エンジニア採用は、単純に「日本人が採れないから外国人を採る」という話ではありません。
自社が必要とする技術を持つ人材を、国籍や居住地にとらわれず探す採用戦略です。
現在、日本で働く外国人労働者は過去最多となっており、専門的・技術的分野で働く外国人も増加しています。
外国人エンジニア採用で押さえておきたいポイントは次の通りです。
- 国内だけでなく海外までエンジニアの候補者プールを広げられる
- 日本で雇用する方法と、海外在住のまま雇用する方法がある
- 日本で働く場合は仕事内容に合った在留資格の確認が必要
- 日本語力は業務上必要な水準から逆算する
- 国籍ではなく技術力・役割・経験に応じて待遇を決める
- 採用後のオンボーディングとコミュニケーション設計が重要
- 海外在住人材では、EORを活用して現地法人なしで雇用する選択肢もある
- 国・地域ごとに異なる労務、税務、契約ルールを確認する
「日本でエンジニアを探しているのに、何か月経っても採用できない」。
そんな状況であれば、求人媒体をもうひとつ増やす前に、採用対象そのものを見直してみる価値があります。
日本全国へ広げる。
外国人まで広げる。
さらに、海外在住のエンジニアまで広げる。
採用する場所の制約を外すことで、これまで会えなかったエンジニアと出会える可能性が生まれます。択肢は大きく広がります。
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