EOR 2026.07.30
SES単価交渉の例文集。値上げ・値下げ依頼を伝えるときの書き方と注意点

【記事概要】
SES単価交渉は「金額」だけでなく「根拠」の伝え方が重要
SES契約では、エンジニアのスキル、稼働状況、案件の難易度、契約期間、商流、需給バランスなどによって単価が決まります。
ただ、実際の現場では「単価を上げたいが、どう切り出せばよいかわからない」「値下げをお願いしたいが、関係が悪くならないか不安」「更新タイミングで条件を見直したいが、例文がほしい」と悩む担当者も少なくありません。
SESの単価交渉で大切なのは、一方的に希望金額だけを伝えないことです。
「なぜその金額が妥当なのか」「どのような成果や事情があるのか」「相手にとっても継続するメリットがあるのか」を、丁寧に整理して伝える必要があります。
特にエンジニア採用が難しくなっている現在、優秀な人材の確保には一定のコストがかかります。一方で、発注企業側にとっては開発予算や利益率の問題もあります。だからこそ、単価交渉では相手の立場を踏まえた言い回しが重要です。
SES単価交渉メールの基本構成
SES単価交渉のメールは、感情的な表現を避け、事実と相談ベースで組み立てるのが基本です。いきなり「単価を上げてください」「値下げしてください」と書くと、相手に圧力を与えてしまうことがあります。
基本構成は、次の流れが使いやすいです。
・これまでの取引や稼働への感謝
・単価交渉を相談したい背景
・具体的な希望条件
・交渉の根拠
・打ち合わせや相談の依頼
・今後も良好な関係を続けたい意向
たとえば値上げ交渉であれば、エンジニアの対応範囲が広がったこと、要件定義や設計など上流工程への関与が増えたこと、稼働の安定性や成果が評価されていることなどを根拠にします。
一方、値下げ交渉であれば、長期契約を前提にした見直し、稼働時間の変更、複数名契約による条件調整、予算上限の共有などを丁寧に伝えるとよいでしょう。
ここで注意したいのは、「他社はもっと安い」「この金額でないと継続できない」といった強い言い方です。交渉材料として相場感を伝えることはありますが、相手を追い詰める表現は避けたほうが無難です。
SES単価交渉の例文
例文1:SES単価の値上げを依頼する場合
件名:契約更新に伴う単価見直しのご相談
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
〇〇株式会社の〇〇です。
現在ご支援しております〇〇案件につきまして、契約更新のタイミングにあわせて、単価の見直しをご相談できればと思い、ご連絡いたしました。
参画当初と比較し、現在は詳細設計、実装、レビュー、若手メンバーのフォローなど、担当範囲が広がっております。
また、直近では障害対応や追加開発にも柔軟に対応しており、現場からも一定の評価をいただいていると認識しております。
つきましては、次回更新分より、現在の月額〇〇万円から月額〇〇万円への見直しをご相談できないでしょうか。
もちろん、貴社のご予算や契約条件もあるかと存じますので、一度お打ち合わせの機会をいただき、今後の体制も含めてご相談できますと幸いです。
引き続き、貴社プロジェクトに貢献できるよう努めてまいります。
何卒よろしくお願いいたします。
例文2:SES単価の値下げを依頼する場合
件名:次回契約更新に伴う単価条件のご相談
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
〇〇株式会社の〇〇です。
現在ご支援いただいております〇〇案件につきまして、次回契約更新にあたり、単価条件についてご相談したくご連絡いたしました。
これまで安定してご対応いただき、大変助かっております。
一方で、当社内の開発予算の見直しにより、現行条件での継続について社内調整が必要な状況となっております。
つきましては、今後も継続的にご支援いただくことを前提に、月額単価について一部見直しをご相談できないでしょうか。
当社としても、短期的な条件変更ではなく、できる限り長期的に安定した体制を維持したいと考えております。
ご無理のない範囲で、一度ご相談の場をいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
例文3:長期契約を条件に単価調整を相談する場合
件名:長期契約を前提とした単価条件のご相談
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
〇〇株式会社の〇〇です。
現在ご参画いただいている〇〇案件について、今後の開発計画を踏まえ、契約期間と単価条件についてご相談できればと思い、ご連絡いたしました。
当社としては、現在の体制をできる限り維持し、長期的に安定した開発体制を構築したいと考えております。
そのため、たとえば6か月以上の契約継続を前提に、月額単価を〇〇万円で調整いただくことは可能でしょうか。
継続期間を明確にすることで、双方にとって見通しの立てやすい契約にできればと考えております。
一度、貴社のご意向も伺いながら、条件面をご相談できますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
例文4:スキルアップを理由に単価アップを相談する場合
件名:担当業務拡大に伴う単価見直しのご相談
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
〇〇株式会社の〇〇です。
〇〇様にご参画いただいている案件について、直近の担当業務を踏まえ、単価の見直しをご相談したくご連絡いたしました。
参画当初は実装工程を中心にご対応いただいておりましたが、現在は設計、コードレビュー、技術調査、他メンバーへの助言など、より広い範囲でご対応いただいております。
プロジェクトへの貢献度も高く、今後も継続してご支援いただきたいと考えております。
つきましては、次回更新時より月額単価を〇〇万円へ見直す方向でご相談できないでしょうか。
詳細については、一度お打ち合わせにてご相談できますと幸いです。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
SES単価交渉で失敗しやすいポイント

SES単価交渉でよくある失敗は、交渉の根拠が弱いまま金額だけを提示してしまうことです。
たとえば、値上げ交渉で「市場相場が上がっているため」とだけ伝えても、発注側は納得しにくいでしょう。市場相場に加えて、担当業務の広がり、成果、稼働の安定性、代替人材の確保難易度などを整理する必要があります。
値下げ交渉でも同じです。「予算が厳しいので下げてほしい」とだけ伝えると、相手側には一方的な要求に見えてしまいます。長期契約、複数名体制、稼働条件の調整など、相手にもメリットがある条件をセットで提示すると、交渉が進みやすくなります。
また、法務・労務面の確認も欠かせません。SES契約では、業務指示の出し方や契約実態によって注意すべき点があります。契約形態と実際の働き方にズレが出ないよう、必要に応じて専門家へ相談しながら運用設計を行うことが望ましいです。
SES単価が高騰する中で、海外正社員モデルも選択肢になる
SES単価の交渉を繰り返していると、「そもそも外部人材に頼り続ける体制でよいのか」という課題に行き着くことがあります。
もちろん、SESは短期的なリソース確保や専門スキルの補完に有効な手段です。一方で、長期的に開発体制を安定させたい場合、毎月の単価負担が重くなりやすいという課題もあります。
そこで近年、選択肢の一つとして検討されているのが、EORを活用した海外正社員モデルです。EORとは、海外人材を現地の雇用主体を通じて雇用し、日本企業が実務上のマネジメントを行う仕組みです。
Somali EORでは、現地法人を設立せずに、日本語対応が可能な海外エンジニアを正社員に近い形で迎える選択肢があります。月額30〜40万円台から検討できるケースもあり、SESや国内フリーランスと比較して、コストを抑えながら安定した開発体制を作れる可能性があります。
ただし、海外人材の雇用には、国・地域ごとの労務、税務、契約、給与計算、社会保険などの確認が必要です。EORを活用する場合も、制度や契約条件を確認しながら、自社に合った運用を設計することが重要です。
SES単価交渉は、目の前の契約条件を整えるために必要な作業です。
しかし同時に、自社のエンジニア採用や開発体制そのものを見直すきっかけにもなります。
まとめ:SES単価交渉は例文を使いながら、根拠と代替案を整理する
SES単価交渉では、相手との関係を壊さず、双方にとって納得感のある条件を探ることが大切です。
そのためには、単に「上げたい」「下げたい」と伝えるのではなく、交渉の背景、根拠、今後の契約方針を丁寧に説明する必要があります。
SES単価交渉で押さえておきたいポイントは、次の通りです。
・最初にこれまでの支援や取引への感謝を伝える
・単価交渉の背景を具体的に説明する
・希望金額は明確に書く
・値上げの場合は成果や担当範囲の拡大を根拠にする
・値下げの場合は長期契約や体制維持などの条件を添える
・強い表現や一方的な要求は避ける
・契約形態と実際の働き方にズレがないか確認する
・長期的にはEORや海外正社員モデルも比較検討する
SES単価の交渉は、営業担当者にとっても発注側の開発責任者にとっても、気を使うテーマです。
だからこそ、事前に例文を用意し、相手の立場に配慮した言葉で伝えることが重要です。
開発リソースを安定して確保したい。採用コストを抑えたい。国内エンジニア採用だけでは候補者が見つからない。
そうした課題がある場合は、SESの単価交渉だけでなく、海外人材の活用やEORによる正社員採用モデルも含めて、自社に合う採用戦略を見直してみる価値があります。
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